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絶望への共鳴 // ERROR

深層心理へのアクセス。結城七夜の日々。徒然日記。 裏; http:// lylyrosen. xxxxxxxx. jp/ frame/ water. html

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VOC@(nd)roid 第十五話 / 接近脅威




やべー、正面衝突だぜ!

始まるPRAY


 
 
 ぴぴぴ……
 
 さっきから携帯五月蝿いなぁ……帰らないって言っているのに、ずっと電話を掛けっぱなしだし。電話代莫迦にならないだから……あ、そうか、ウチ、金持ちだっけ? 家の利益ばっかり考えているロクでも無い家だけどね。
 それが嫌だったから、こんっど、こそ、我慢の! 現界だったから家出して来たってのに……こうやって警察まで出動させるなんて思っても見なかったわよ。もぉ、お父さんもお母さんも、幾ら金持ちでもそんなに金遣いが荒いなんてさ! それに、わたしの意志なんて尊重しないで、学校も勝手に決めるわ、就職先も勝手に決めるわ! もう我慢の限界だった。
 そもそも、あの人たちは一般市民をなんとも思っていないからあんなことが出来るんだよ! ウチから見れば確かに貧乏かも知れないけど、その人達だって必死で生きてるのに、あんな虫けらを扱うみたいな感覚でさ……
 あーもう! 電源落としちゃえ!
 ぷつり、と音を立てて、電話は切れて、同じに携帯の電源も落ちる。少し電源を入れて置くと電話が来るから嫌になっちゃう!
「マスター? あの人たちからの電話ですか?」
「うん……」
 ごめんね、レン、心配かけちゃって。
「大丈夫、僕の役割はマスターの世話と、マスターを守る事にあるから……」
 むーっ! わたしはクーリン萌えー、なのに、こう、やっぱり正面に出てくるとこんなショタレンも良いなぁ……ハァハァ……やばい、ショタハァハァ……
 ――それにしても、あの遠藤君もしっかりしてるなぁ……ほら、庶民の人だってこうやって綺麗に部屋を掃除してるし、ちゃんと頑張って生活しているんだよ……
 これから如何しようかなぁ。このまま遠藤君の家に厄介になるのも駄目だし、でもお金も無いし……働き先を見つけないと、わたしは独立出来ないしなぁ……オタクって、お金掛かるしねー。そう考えると、お金持ちの家に産まれた事って、オタクにとってはとっても良い環境だった訳か……まぁそれでも、一緒に住んでいる家族の認識とか、色々とヤな事はあるしね。
 駄目だなぁ、わたし、やっぱり箱入り娘かぁ。一人じゃ何も出来ないし、結局独立出来ないまま、年下の男の子に迷惑掛けている訳だよね。
 そんな事をもんもんと考えながらも、視線を他に移すと、綺麗に正座をして、お茶を啜っているミクちゃんが居る。リンちゃんは遠藤君が連れて行っちゃったから、ミクちゃんがお留守番している。あ、わたしも一応お留守番だけど、正直そんなのやった事無いから心配だなぁ……何も起きませんようにぃ……
 起きてもこのオルなんちゃらソードがあるから大丈夫かも知れないけど、コレ、重いんだよねー……レンに教わった方法で再び取り出すと、目の前に居たミクちゃんがびくりと動いた。あ、ごめん! 驚かせちゃった……?
「わ、あ、はい、ちょっと……」
 本当にごめんねー……
 そういえば、さっき、遠藤君はこのソードをミクちゃんから渡されて無いって言ってたけど……あ、リンちゃんも持ってないって言ってたね……じゃあ、遠藤君はどうやってこれを手に入れたの?
 わたしの問い掛けに、ミクちゃんがはい、と言って説明を始める。
「先程、マスター・ミオが説明したとおり、一週間前の事件で、突然手に入れた様です」
「へ? 突然……?」
「はい。言った通り、私はこのオルトソードをマスターに渡す様にインプットされていたわけではありませんし、渡されていた訳でもありません。なので、マスターが持って来たと云う事は、自らが作り出したか、若しくは未来世界から送られてきたと考えるのが普通です」
 だよね……てか、遠藤君は本当にどうやって手に入れたんだろう?
 あー、でもそんなの考えていると限無いよねー。アニメとかゲームでも、明らかにされなかった部分を考察しても終わらないしなぁ。やめた。
 さぁて、じゃあ、遠藤君が戻って来るまで何をしようか? テレビでも見る?
「そ、そうですね……」
 ぽちっとな、ボタンを押すと、コメディ番組をやっている。時刻的にね、ゴールデンだし。遠藤君、今日の晩御飯何作ってくれるのかなぁ?
 
 
 
 ……リンはその時、問いに答えなかった。まぁ無理な話だ。突然そんな事を訊かれて悩まず直ぐに答えられるヤツは居ないだろうし、されたらされたで、オレも少しへこむ。それで向こう側に行くなんて言ったら本当にオレヘコムよ?
 そんなワケで、スーパーに来て色々と買い物をしている訳さ。もう閉店間近の店だからな、値引きしている食材も存在している。こういう時は本当に便利だなぁ、この値引き。なんせ、今日は何時もより二人多い訳だしね。あの二人がどれだけ食べるか解らないけどな。
 リンは荷物を持つと主張して聞かなかった為に、今、カートを押している……おいおい、慎重、届いてないぞ……
「と、届くもん!」
「……無理せんでええわ……」
「む、無理じゃないもん!」
 ……OK、そんな王道展開要らんわ。リンお前はあれだ、牛乳と卵を取って来てくれ、カートはオレが押すから……
「解った!」
 やれやれ、納得したか。変な所で子供っぽくて、しかも意地っ張りだなぁ、おい。あんな正確にプログラムした未来のプログラマーは病気だな、うん。
 そんな事を考えつつも、オレは野菜類を取って行く。どんくらい買えば良いかな。せめて今週分は持つ様な量だよな、桐島さんがどれ位家に居るかにもよるけどな。ずっととか言ったら如何しよう、そうなったらバイトしないと無理だな、只でさえ、今の状況も拙いってのに……これ以上負担が増えると、オレの有意義なオタクライフとはグッドバイ、だな。
 向こう側からリンが牛乳と卵持って戻って来た。……てか、ミクに食料を頼んでたんだから、あの二人分だけ買えばよかったんだな、うん、忘れてたぜ。
 そうして買い物は終わりを告げる。早いけどな、うん、そんなにこんな場所で時間を潰している訳には行かないしな。
 ――それにしても思うんだけどな、あの桐島さんの両親ってすげー金持ちなんだよな? どうして警察なんぞに頼むんだろうなぁ? なんか、ヤクザ風の人とかを派遣して来る様な気がしてならないんだよなぁ……京都だし。
「……? やくざ?」
「ああ、別名ゴロツキとも言うな。怖い連中で、借金取りだったり、とても親切な方だったりする」
「……なにそれ」
「まぁそんな連中には着いて行っちゃ駄目だぞ……リン」
 何時か絶対に解るって、怖い連中がどんなヤツなのか。
「……」
 と、店を出た所で……その典型的な例が居まして……
「親分、出て来ましたぜ……」
「――そうか……」
 ――えーと……リン、こんな人だぞー、ヤクザってヤツは……
「怖い人?」
「ああ、そうだなー……」
 兎に角――
「逃げろッ!」
 それしかねーだろバカヤロウ―――――――ッ!!
 
 
          ×          ×
 
 
 ぴんぽーん……
 
 そんな音が響いた。こんな夜中に誰だろ……まぁ、遠藤君の友達って云う線が有力かなぁ? でも生憎遠藤君はまだ帰って来てないし……どうしようかなぁ……
 でもそのままにしておく訳にも行かないしね、じゃあ、開けようか――
「……ぁ?」
 ――なんで……
「お嬢様、お迎えに参りました」
 居る訳よ……
 そこには、実家の、両親直属の……親衛隊(っぽいモノ)。
「ミクちゃんっ! 逃げ――」
 て、と言う前に、もう遅かった。もう……
 
「漸く見つけたぞ……人見」
 
「――お父さん……ッ」
 
 
          ×          ×
 
 
 はぁはぁ――っ!
 
 くそったれ! リン、無事か!? そして材料無事か!? 卵無事か!?
「う、うん……」
 もう大丈夫だよなぁ……くそ、一週間前に似た様な事が起こった様な気がするぜ! って事は家で何かが起きてるかもしんねーな!
 人見さん、レン――そして……ミク、待ってろッ!
 走り出して、途中、何か高級リムジンとすれ違った……
 そうして、家に辿り着いた時には遅かった。
「やろ……」
 ――どこ行ったッァ!
 
 

                    to be continued......


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