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絶望への共鳴 // ERROR

深層心理へのアクセス。結城七夜の日々。徒然日記。 裏; http:// lylyrosen. xxxxxxxx. jp/ frame/ water. html

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VOC@(nd)roid 第十三話 / 遭遇決定




漸く少年が出ますが……


余り喋りません。










 
 
 ……目の前から来るのは、女の人だ。右手に……オルトソードを持っている。マスターとは違う、ちょっと、変な形のオルトソードです。眼鏡を掛けていて、肩に大きなバッグを掛けています。それ以外は、普通です、服装も、黒主体の服装です。
 無言で見る私達に気付いたのか、その二つの影は目の前で止まる。――と、女性の人が私達を無言で眺めてきます……う、なんでしょうか……
 リンちゃんはずっと、女性の人の隣に居る……金髪の、男の子を見ています。その子は、確かに、私達と同じ、アンドロイドです。何か、感覚的にそう思ってしまいます。そして、多分そうなんだと思います。
 ずっと、無言で見詰め合っている私達――口を開いたのは、女性の人でした。
「……は、初音ミクだ……」
 ……あ、マスターと同じ反応です。
「か、かわいいッ!」
 ――うひゃあ! な、なんですか!
 突然私は目の前の女性の人に抱き締められて、その場に尻餅をついてしまいました。隣にいる男の子……レン君(仮)が慌てた様子で目の前の女性の元に来る。
「ま、マスター、それはちょっと……」
 あ、そんな声なんだ……初めて聴きました。それにしても、突然剣を持って歩いていたんで、吃驚ました! 本当は怖い人かと……
「だって! 閑静な住宅街で、夕日をバックに、剣を持って歩いてくるのはお約束でしょっ!」
 わわわ……良く解りませんけど、兎に角そんなもんなんですか!? マスターに今度訊いて見る事にします!
「マスターっ!? やっぱり貴女達も未来からのアンドロイドなのね!? 萌えるわぁ!」
 ふぅわ……もう、そろっと、私的にも色々と拙いです……は、離してくださいぃー。
 そう言うと、ごめんねー、と誤りながら、目の前の女性は体を離してくれる。ふぅ、大変でしたぁ。危ない所でした……窒息して、このまま死んでしまうところでした。――あれ、私達アンドロイドに、窒息ってありましたっけ……。と、兎に角、酸素が吸い込めないと私達も活動に支障をきたすので、助かりました!
 立ち上がって、目の前に立っている眼鏡の女性を眺める。微笑したまま、私達を見ている。
「それにしても……まさかリンちゃんとレンきゅんを同時に、目の前に拝める時が来るなんて思わなかったわぁ!」
 無言のまま、女性の人の手によって体を捕縛されているレン君は、苦笑しながら、その光景を眺めている。……レン君の性格があんまり理解できないけど……うん、多分、直ぐに解ると思います。なんか、そんな感じがします。
 でも、ずっとそんなレン君と会いたがってたリンちゃんはどうして何も言わないんだろう……真先に何か言うと思ったんですけど……不思議です。
「……それにしても……本当に居たんだね、アンドロイド。レンが言った通りだよ!」
 肯くレン君。そっか……だから私達を見ても別に何も思わなかったんですね。マスターはかなり動揺していましたから、こうやって解っていると本当に助かります。
 ――そこで、漸くリンちゃんが動いた。レン君に向かって歩を進めて、目の前まで行く。
「……アナタが、私の……片割れ?」
 そんな言葉を、口から出した。
 それに対して、レン君が女性の束縛から脱出して、面と向かった。確かに、似てる。二人とも、男の子と女の子で、違うけど……一緒だ、とっても良く似てます。流石は双子機です、シリアルナンバーも、一緒の機体……
 二人が見つめあう姿を、私と、眼鏡を掛けた女性さんと二人で眺める。やっぱり、何か思うところがあるんでしょうか。
 すると、徐に二人が手を繋ぐ――と……
「わっ!」
 ――同調です! 突然火花が散り始めて、その場に衝撃が走る。二人が手を繋いだ瞬間に、そこから意志と、そして何か、言葉の様なモノが流れている様な感覚を、私も感じます。二人は同調して、今まで起こった事全てを、互いに理解しあおうとしている……
 そうして、数十秒の同調時間の後に、その火花は収まって、二人も瞑っていた目を開けて、再び見詰め合う。
「……リン……って名前なんだ……」
「――そう言う貴女も、レンって名前なんだ……おにーちゃんが言った通りだ」
 二人とも、色々と解ったみたい。私は解らないですけど、兎に角、二人は互いの事を解った痛いです。笑顔で、互いを見詰め合っています。
 それが終わった所で、私の隣に居た女性さんが、徐に二人の所に歩を進めて、レン君に向かって微笑をする。――よかったね、って、耳元で呟いている。それに対して、レン君もはい、って応えてる。やっぱり、レン君も、自分の片割れであるリンちゃんを探してたんですね。
「貴女達にも、やっぱりマスターが居るんだ」
 と、そんな事を唐突に言って来ました。あ、はい、居ます、マスターがちゃんと。
「そっかー……じゃあ、リンちゃんを連れて行きたいって云う私の願いも駄目ってワケねー。あー、ショックぅー」
 ……それはまぁ……そうですね、でもリンちゃんが行きたいって言えば、マスターもきっと許してくれます! ……多分。
 でもそれはリンちゃんの意志、私がどうこう言えることじゃありません……
「リンちゃん……どうするんですか……? 私と一緒に、マスターの家に戻りますか? それとも、レン君と一緒にこの人と行くか、どっちかです」
 その質問に対して、リンちゃんは困惑した様な表情をする。多分、本当に困惑しているんだと思います。もし、私がリンちゃんの立場だったとしても、同じ反応をしたと思います。今直ぐに決めてくださいと言われて、決められる事柄じゃありません。
 だから、私はその答えを急ぎません。リンちゃん、一旦帰りましょう、マスター・ミオが帰って来ますし、居ないとまた起こられてしまいます。それに、お買い物したものも、冷蔵庫の中に入れなきゃいけません。
「う……うん……」
 はい。……じゃあ、私達は戻りますけど……如何しましょう? また此処で会うと云うのはあれですし、正直、私もこの場所を覚えていられるかどうか心配です。記憶メモリだって、忘却ぐらいはします。
 それに対しては、女性の人も悩んでいるようです。このまま、知らない振りして、二度と会わないなんて事は出来ません。それはリンちゃんも、レン君も余りにも可哀想です。
 結局答えは出ません。ずっとそうして悩んでいる中……私達の目の前に、一つのパトカーが到着しました
「ミク! リン!」
 うわぁ! ま、マスター……なんで此処が……
「そりゃあなぁ……」
 け、刑事さん……そうでした、刑事さんはマスターに電話を掛けて来て……あ、そうです、この人は……レン君のマスター……そして――
「桐島人見さんですね?」
 黒田さんが、手帳を見せながら、レン君のマスターに近付いていく。それに対して、女性の人は、眼鏡を上げながら、言葉を発する。
「……実家の申し付けですか?」
「ま、そんなもんです。確認して、今直ぐ連れ戻せ、と云うのが、私達が貴女のご両親から受けた依頼でしてね」
 そうだったんですか。やっぱり、刑事さんが調べているんですから――それに、今日の朝に、おの女性の方が、何処かのお金持ちの人で、行方不明だって……今思い出しました。そんな人がどうして家出して、レン君と出会ったのかは不明ですけど……
「……私、家には戻りません! あんな、庶民の人を見下すような家にはぜっっっっったいッに! 戻りません!」
 叫ぶ女性の方。えーと、桐島人見さん、そんな名前だった筈です。――叫んだ言葉に対して、まいったなー、と言うのは黒田刑事さん。やっぱり、それがお仕事ですからね、出来ない何て言ったら大変な事になってしまいます。
 黒田さんは頭を掻いて、どうすっかなー、とマスターに顔を見せます。
「いや、オレに言われましても……オレはそんな警察の事情なんて解りませんよ」
「そんなみもふたも無い事を言うなよ……じゃあ、良い案を提案してくれたら、お前の好きな遊●王カードをBOXで買ってやろう」
「……それ、買収ですよね。良いんっすか? 警察がそんな交渉して」
「んなもん知るか。俺は警察の枠に当てはまらない人間なんだよ」
 ――なんでしょうか、黒田さんが昇進出来ない理由が解った様な気がします。
「……BOX二つはどうですか?」
「ふ、二つだとォ! オマエ足元見やがってーッ!」
 ……マスターもマスターです。良いんですか、それで?
「オレのOTK魂が唸るぜェ――ッ!」
 駄目です。こうなったマスターは止められないって解っていますから……
 と、そこで、人見さんが目を輝かせながらマスターを見る。
「あ、若しかして……キミもオタクなの!?」
 そんな言葉を言って、マスターを見ると、マスターもその言葉に反応して、そっちを見る。何か、共通のモノを見つけたみたいです……マスターと同じ様な趣味を持っているのは、確か、マスターのご友人ぐらいだったです。この様な場所にも居るんですね。
 ――何か、マスターと人見さんの話が盛り上がっています。何を言っているのか、私は解りませんけど……そしてそれは、黒田さんも一緒みたいです。
 話をしている二人を、私達は眺めています。正直、もう陽がくれそうです。
「……それより、どうするんですか、人見さんの事」
 私が黒田さんに言うと、うーん、と黒田さんは唸る。このまま警察の人に連れて行って、京都に戻すと云うのが、警察さんが考える事ですよね? でも、人見さんは帰りたくないと言っていますけど……
「それなんだよな。無理に連れて行く訳には行かんしなァ。気持ちがもう一度京都に向くまで、少しこっちで様子を見た方が良い……かも、な」
 そうですね。この人はお金持ちさんですから、住む場所には困らないんですか?
「いや、今桐島人見は一円も持って居ない筈だ。住む所も無いだろうなぁ」
 ――それってつまり、野宿、と云う訳ですか?
「そういう訳にもいかんだろうが……だから、色々と言っているんだよ、警察に行くんだったら、警察でホテルを手配するが、来ないってなら、仕方ない、野宿を強要するしか無い。犯罪なんてやらせたくないしな」
 それはそうです。
「でもまぁ……良いか」
「――? 何がですか?」
 私の問いを聞く事も無く、黒田さんは、話が盛り上がっているマスターと人見さんの所に歩いて行くと、徐に、マスターの肩を叩きました。
「てな訳で、この桐島人見を……頼んだぞ、観光君」
 ……そう言う事ですか……
 

               to be continued......

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