忍者ブログ

絶望への共鳴 // ERROR

深層心理へのアクセス。結城七夜の日々。徒然日記。 裏; http:// lylyrosen. xxxxxxxx. jp/ frame/ water. html

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

VOC@(nd)roid 第十七話 / 協力突進


あれだな、うん、この季節に水着の話をするのはむずかしーよ……


ほら、ミクとかルカ様にビキニ着せたいじゃん?










 
 
 金が跳ぶなぁ……今月は大赤字だぜ。やっぱりバイトした方が良いよなぁ、これじゃあオレの快適なオタクライフも送る事が出来ないからな。――まぁ、今はそんな事を考えている暇じゃねぇ。
 オレとリンは、黒田刑事に渡された紙を眺めながら、東京都内に存在している場所に電車に乗って来た。これで、二人分、合わせて(リンは子供料金で乗った)三百円程飛んだ。しかも時刻が時刻なだけに腹は減る訳でありまして、駅弁を買って適当に食った。
 夜も深けて来たな、時刻はそろっと十時になろうとしてる頃だ。此処から今度は歩いてこの場所まで行かなきゃいけないのか……
 黒田刑事の話によれば、この所何処かに、紙に書かれている住所があって、その場所がどうもその、桐島家の別荘だとか何とからしい。――ったく、別荘建てた事で、遠くまで行かなかった事に感謝するべきか、勝手にミクを連れて行きやがってコノヤロー、と怒るべきか――ワカンネー。
 リンは相変わらずそわそわした様子でオレの手を握ってくる……ち、ちくしょう……可愛いじゃねーか……いやいや、今の状況を考えろ、萌えてる場合かオレッ! しっかりしろっ! オレ! 誘惑に負けるな、オレっ!
 因みに、オルトソードは結局まだ出て来ない。これなら突入も出来る筈もねーよなぁ……。あ、そういや、人見さんもオルトソード持ってたんだよな? 何でさらわれそうになった時に使わなかったんだろーなぁ――使えばよかったのに。それとも、使える様な状況じゃなかったのか、暇が無かったのか、それともオレみたいに使えなくなっていたのか……
 どっちにしろ、さらわれちまった事に変わりはねーしな、オレが行くしか無いんだよな。警察も動かないし。
 ――よくよく考えてみると、随分な話だよな。漫画やゲームじゃあるまいし、一般人がこんな事件に首を突っ込むなんてさ、一週間前の話じゃ有り得ないな、うん。これに対して、普通のオタクライフが遅れなくなった事に関して、ミクに怒るべきか、それとも、ミクが居る日常に関して感謝するべきか……これ、さっきも似た様な事言ったよな。
「おにーちゃん……疲れたー」
 ……そんなこんなで、リンが根を上げた訳だ。全く、オレだって正直もう歩きたくねーけど、ミクも、レンも、攫われたままなんだぜ? それじゃ拙いだろ?
「そうだけど――」
 そんなリンに対して、オレは頭を撫でてやる。
「大丈夫だって、な、もう少しだけ頑張ろうぜ。着いたら嫌でも休ませてやるからさ」
 リンの扱いにも、随分と慣れたな、オレも。
 ――そんなこんだで、そのまま歩く事更に数十分を要したが、何とか、目的の屋敷に辿り着く事が出来た。
「――って、デカッ!」
 目の前に存在しているのは、それはもぅ、三●院家かと思うほどデカイ。くそ、此処に居るメイドの名前は何だコノヤロー。言ってみろっ、マリアだったらアレだ! この屋敷に仕えてやるぜッ! オレは本気だッ!
 と、そんな騒ぎもそこまでにして、オレは手の平からオルトソードが現れない事を再び確認すると、携帯電話を取り出す。――お、着信アリ……黒田刑事だな。
 リンを近くに存在している石の階段に座らせて、ポケットの中に、さっき駅で買った暖かいココアを渡しておく。その間、オレは黒田刑事に着信を返す。着信が来たって事は、暇が出来たか、若しくは此方に向かっているかのどちらかである。
 発信音が暫らく鳴った後に、プツリと音を立てて、通話が開始される。
「もしもし……黒田刑事?」
『……ああ。悪かったな、今先程会議が終わった』
「どうでしたか?」
『駄目だ、皆動こうとはしていないな。ま、当たり前だよな、今日まで徹夜の人間も居たしな』
「そりゃ大変ですね。病院と良い、警察と良い、過労死しそうな職業ですからねー……」
『全くだ。それで事件を解決出来なかったら文句を言われるのはこっちなんだ。冗談じゃない』
 そんな会話は良いんですよ。ま、ふっかけたのオレですけど。
 兎に角、オレとリンは例の場所に来ましたけど、着信の理由を教えてくれますか?
『ああ、それなんだがな、今も言った通り、前の「冥王会」の時の事件の様に、あんなに警察を出動させる訳には行かない。――つまり、オレだけがそっちに向かうから、お前は何かしててくれ。良いか? くれぐれも勝手な事をして表沙汰にはするなよ?』
 了解です。どうせオルトソードも出ませんしね、何も出来ませんよ。今のオレは下手な人間よりずーっと弱い弱小人間ですよ。戦ったら負けかな、と思っています。
『そりゃそーか。ま、さっきも釘を刺したけど、オルトソードが出せる様になっても、勝手に突入はするなよな』
 解ってます。オレだって命は欲しいですしね……
『それじゃあ、後でな』
 そう言って、黒田刑事は切った。つー、つー、と音を立てている携帯電話を暫らく眺めた後、オレは携帯の切ボタンを押す。……勝手に行動するな、か。まぁ確かに今オルトソードがあれば突入していたかも知れないしな、今オルトソードが出せないのは良い事なのかも知れないな。
 携帯電話を閉じて、ポケットの中に入れる。ココアを飲んでいるリンを眺めつつ、オレも何か飲むか、と思ってポケットの中に入っているコーヒーを取り出す。ふふ、今日のオレのポケットは四次元ポケット(飲み物限定)だぜ……
 かしゅっ、と空気の音が響いた。一口ゴクリ……ふぅ、温まるぜぇ……これぞ至福。これでマフラーがあって、隣にミクが居たらどれ程良かった事か……本当に、な。
「……え、リンじゃ、駄目?」
 おっと、聴こえていましたか……って何だよそれ! フラグか!? マスター×リンのフラグなのかッ!?
「そ、そんな事はないぞ、うん。只マフラーが無いだけだぁ、うん」
 落ち着けオレ……OK、COOLになれ、COOLになれ……色んな意味で……こ、此処が家じゃなくて良かった……起爆剤だ、リンは起爆剤だ。
「解った、今度、マフラーをみんなに買ってやるぞ……」
「ホント? ミクおねーちゃんにも、私にも……レンにも?」
「……ああ、買ってやるよ。これが終わったらな……」
 ま、今六月で、今頃買っても意味無いけどね。買っても、使うのは四ヶ月とか、五ヵ月後ぐらいになるかと思うけどね。これから暑くなるんだぞ。
「じゃあ私、水着がいー」
 夏だもんナー、ミクには断然ビキニだな、うん。リンはスク水だな、うん。
「す、くみず? 酢を汲むの?」
「いやいや……大丈夫、今度、な」
 ――何を考えているんだか、オレは。
 
 
          ×          ×
 
 
「そうじは急がしーねー……」
「こ、これはこれは……御老体殿。一体如何いたしましたか?」
「いんや、ウチは只、掃除をしただけだよ」
「――は、はぁ。それより、中の人間は如何していましたか?」
「すやすや寝てるよ」
「そうですか……それと、掃除ぐらいは私達が……」
「良いんだよ。あんた達は、家の見張りで疲れているだろう?」
「……め、面目ありません……」
「じゃあね」
 
 がらがらがらがらがらがらがらがら……………
 
「……もう良いよ……」
 ぷはぁ……た、大変でしたぁ……レン君、大丈夫ですか?
「は、はぃ――。それにしても、良く考えましたね、布団を運ぶ台座に紛れ込むなんて……」
 ええ、この間見ていた『は●れ刑事 純情派』の再放送で、病院から抜け出す方法としてやっていましたから……
「渋いねぇ」
「お婆さんも見ますか?」
「ええ。藤田ま●とさんが好きでねぇ」
 あの人も長いですから、流石です!
「あのー……そろそろ行かないと……行けないんじゃないんでしょうか? おねーちゃん……」
「そ、そうですね! マスター・ミオが突入してくる前に……」
 でも、人見さんは何処に居るんでしょうか……
「そこの道を右に曲がって、それから左に行った所にデカイ扉があるよ。そこがそうさ」
「……」
「大丈夫だって。言っただろう? ウチはあんた達の味方だって……」
「――有り難う御座います」
 頭を下げて、私とレン君は、人見さんの場所へと急ぐ。
 


                    to be continued......

拍手[0回]

PR

Comment

お名前
タイトル
E-MAIL
URL
コメント
パスワード

Trackback

この記事にトラックバックする

Copyright © 絶望への共鳴 // ERROR : All rights reserved

TemplateDesign by KARMA7

忍者ブログ [PR]

管理人限定

プロフィール

HN:
殺意の波動に目覚めた結城七夜
HP:
性別:
男性
自己紹介:
小説を執筆、漫画、アニメを見る事を趣味にしている者です。

購入予定宣伝

ひだまりたいま~

カウンター

最新コメント

[05/13 Backlinks]
[01/09 WIND]
[12/20 WIND]
[12/18 WIND]
[12/12 WIND]

最新トラックバック

バーコード

カレンダー

08 2024/09 10
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30

ブログ内検索

アクセス解析

アクセス解析

本棚