吾は面影糸を巣と張る蜘蛛。───ようこそ、この素晴らしき惨殺空間へ。
眠い目を擦り、更新しております。
無性に眠い。
本日某お二方様に暑中見舞いをお出ししました。
そしてふと思ったこと、
『* A L I C E *』更新していない……!
何をやっているんだ自分は! と叫びたい。
ならば、明日と明後日で連続更新だ!
そう行き込むので、今日は寝ます。
……自分密かに他人様のオリジナルキャラクターの小説が書きたいと野心を抱いています。
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Extra Phase/ GIRL and GIRL / 3
×××
少女の本家は日本のT都の、比較的外れにある。
豪邸……と云うには小さく、一軒家と云うには大きい。それが少女の家の外見である。
西洋を思わせる煉瓦つくりの屋敷。煙突が一つ、屋根の上に付けられており、勿論、これも煉瓦である。現代に見られるステンレス製などではない。扉も洋風を思わせる。家の中に入ればシャンデリラが先ず出迎え、階段が一つ。そして部屋が幾つも並んでいる。
その一室、広すぎるほどの書斎に、一人の少女が居る。
手に取った本を本棚に納め、そして、ペンダントを数回弄ったあと、少女は椅子にすわり、予め用意していた紅茶を、カップに注ぐ。冬の寒さで、何時の間にか紅茶は冷め切っており、その風味も、損ねていた。
調べていた書籍には、こう書かれていた。
『「永遠の論舞曲」――一二人の魔法仕いが、アリスになる為に殺し合う』
こんな簡略な一文だけの為に、少女は一時間以上も、この手入れが行き届かず、埃が溜まり始めている書斎にこもっていたのである。
「これだけか……情報としては少なすぎるわね」
そう呟く少女の後ろが陽炎の様に歪み、二人の男が姿を現した。
「マスター」
一人、白き装飾を纏った男が言った。
突然現れた自らの騎士に困惑しつつも、何? と返した。
「そろそろ時間であります」
「そう、有り難う、奇士」
返した少女の言葉に、男は眉を顰める。
「あのマスター。呼び方に不満がある訳では無いのですが……私は奇士ではありません。私は此処に呼ばれてから、トリスタンと云う名前があるのです」
「ふぅん。でもいいじゃない、私的にはこっちの方が呼びやすいし」
はぁ、と返す、白き奇士、トリスタン。
「ほら、ぐずぐずしない!」
歩を進める少女に、トリスタンは頷き、歩き出す。
「トリスタン。オレ達は本当にこれで良いのか?」
「……マスターに不満があるのか? パーシヴァル」
パーシヴァルと呼ばれた黒き騎乗兵は、いいや、と首を振り、
「不満がある訳では無い。只、こんなシアワセな日々を送って良いのか、と聞いているんだ」
その言葉に、トリスタンは答えることが出来なかった。
少女は思う。
この世は汚れている、と。
「だから――」
この世界を壊す、それが少女の望み。
正義の味方。
信念のクィーン。
その器の深さは、目の良いホワイトラビットにも解らない。
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