三軍連合ですか?
結城七夜です。
途中経過、っと云うかラフ状態。
思い立ってボカロの大きめのイラストを描こうと思って作成中。まだラフ状態ですので、明日かそこらで暇を見付けてスキャナで取り込んで着色していきたいと思います。
どうでも良いけど、こんなちょい役でKAITOを初めて描くとは思わなかった……ごめん、KAITO。因みにメインは出ていませんけど、リンです。左側にミクも居るんですけど、見えませんね、画像だと。リンの腕が辛うじて見えている状態。
『IF DREAMS CAME TRUE』を此方側に移転してから初めて掲載しました。これでジャンルハヤテを示せたので、次はボカロの小説をいい加減に……
今日は無性に眠い……
これを打っている(時点、二二時の)時点でもう寝れるぐらい眠いです。さてどうしたものかね……このまま寝るべきか、それとも小説を打って時間を潰すべきか。
でも此処で寝ておけば明日凄く楽なような気がする(バイト的に)。
うぅむ。
何時もの様に、ピクチャードラマだけは兎に角やっておこう。
うん、そうしよう。
CAPU 0 ; Aの序章 / エピローグ
■■■
撃音、轟音、――そして、一つ妙な音が響いている。
襲い来る猫の一撃を紙一重で交わしつつ、確実に、その手に定着された強化の魔術によって巨体にダメージを与えている。一撃、拳を体に当て、その接触時に対象に魔力を流し、多過ぎる魔力を流す。それによって魔力の流れが変わり、多過ぎる魔力が流れる事により対象の意識は混在して来る。異物を飲み込ませた様な物である。――これこそが、結城林檎の、接近戦の戦闘方法である。
それを後ろで眺めていたキリコは、あの二人が融合した時点で、もう勝利は決まったと確信していた。短い期間で、彼女に「変身」した際に負けた事は一度も存在していないのである。
一旦後ろに下がり、その場の地面に手を着けると、魔術円が姿を現す。本来視認出来ない筈の、情報だけの概念を、視覚出来る様にすると云う相当量の魔力濃度。二つの体に存在している魔力保有量を合わせる事によって生まれる機関は、最早、通常の魔術仕いの数倍になっている。
魔術円によって作成された式を証明する――証明された魔術を此の世の存在の空に打ち込む事により、空の大きさに応じて、魔術を具現化する。それこそが、魔術。
そして証明された魔術は………………聖の魔術である。
俗に云う「奇跡」の属性を纏った青白い光は、光球となり、一直線に対象へと直撃する。
容赦は無い。この結城林檎の形態で居られるのは、五分が限度である。それ以上戦闘を長引かせる事は得策では無い。元に戻った際には、既に全力の力を出し切り、戦える状況になどなっていないのである。まさに、この二人で一つの形態は諸刃の剣だ。
だからこそ、容赦する事は出来ない。その様な暇もないのだから、一気に決める。
直撃した魔術――その場に破壊音が響き、土埃が舞う。その中を、一気に駆け抜けて――
『これで終わらせる』
手の平に握った、一本の武器を――それは、剣でもなければ、槍でもなく……銃器でもない――。先端に装着された宝石が輝く。そこに存在している魔力の量は相当なものである。投入している魔力は、結城林檎を維持する魔力である。
礼装、『ギャリヌ・アンリ』――形状は確実に、アニメーションに出て来る、黄色の少女の杖なのであるがしかし、彼女にとってはそれは些細な事に過ぎず、インスパイアと主張している。
土煙の中を駆け抜けて、足を軸にして一気にその場から跳ぶ。魔力で強化されたその足は、一メートル強の高さを跳び、更に握ったそのギャリヌ・アンリを強く握り締めると、勢い良く振り下ろす。
猫も咄嗟に反応したのであろう。その巨大な腕を下から突き上げる様に、祓う様に振り上げる応戦する。
――刹那、交錯。
強大な魔力の塊である礼装と、魔力を持ち、強化されたクリーチャーとの交錯は予想以上の衝撃を生み起こす。結界全体が、物理現象の様に震えだす。維持しているキリコ自身にもフィードバックが来ており、立っている事すら辛いのであるが……
そう、彼女には最後に大事な役割が残っているのである。何故、戦闘能力を持たない彼女が呼ばれるのか、連れてこられるのか――その大きな理由が隠されているのである。
怨、と音を立ててその猫の至る所から魔力の奔流が流れる。確実に、黒い、黒い――何処までも黒い、呪いの様なその魔力の濃度に、一瞬眉を吊り上げるも、彼らはそれに飲まれてしまい、この様な状況に陥ると云う事である。そしてそれを止めるのが、我々の役目。
…………「死屍の余韻」。それこそ、正体である。
此の世に存在している不老不死の成れの果て、「死屍」。彼らの死滅の際、本来消失する自我が留まり、魔力により怨霊の様な情報に突然変化し、その情報を組み込まれた生き物は、「死屍の余韻」と云う全く違う代物に変化してしまうものなのである。
それは、ウイルスによってプログラムを書き換えられてしまうと云うニュアンスに似ている。感覚的にはそれで全く問題ない。だがコンピュータと違う所は、この死屍の情報により変化したプログラムは一時的であり、情報を取り除く事が出来れば、突然変異は元に戻る“可能性”があるのである。
あくまで可能性の話であり、元に戻らない場合は、完全に消去――つまり殺すと云う事になる。今まで、七夜と林檎がそうして来た様に。
――だが、それが変わったのは――この、キリコと云う少女が事務所に来てからである。
ぶつかり合う一撃と一撃が、漸く終わりを告げる。結城林檎の放った一撃、その後に続く様にもう一撃、同じ一撃を加えた事により完全に猫はその場に倒れ込んだ。
『キリコ!』
「――お前の出番だ! あ、もう変身解けた……」
後は無い。一回で決めなければならない。七夜と林檎が作ったチャンスを逃す訳には行かない。
結界の展開を収縮して行き、その腕だけに結界を作り出す――正確には、その腕と云う情報の中に、結界と云う概念を定着させると云う事である。その瞬間に、キリコの腕は、「腕」と云う機能と別に、「結界」と云う機能もかねそろえた代物と化すのである。
倒れている猫の上に乗ると、その首に腕を突っ込む。腕はまるで何かの溶液に漬けられたかの様に妙な感覚に囚われる。その感覚の中で……キリコは何をする訳でも無く、只光を放つ腕を眺めているだけである。
そして次の瞬間、その腕が引き離されると……その場に、猫が一匹だけ、取り残された。
先程の様な、巨大なクリーチャーの姿は何処にも無かった。
――そう、キリコの能力。
それは、中に存在している死屍の概念を取り出し、完全にデリートする事で、“確実”に、対象者を元に戻す事が出来ると云う――『神の手』『悪魔の手』の両方を持った奇跡の少女なのである――
× ×
小さな鳴き声が響いた。猫の声だ。
そこには小さな黒猫が鳴き声を上げながら、クッションの上に居る、事務所の光景である。それを林檎が眺めて、笑顔になり――キリコが眺めて忌々しい顔をしている。先日の事を考えれば、尤もな反応をしているのはキリコの方である。
この猫は処理したものかと思っていたのであるが……
七夜の方を向くと、途端、猫が飛び跳ねてキリコの頭の上に上がる。
「ちょ! やめてよ! 降りてよ!」
「ふにゅ」
しかし、降りようとはしない。しかも頭を振って無理矢理降ろそうとすると、爪を立てて頭の上にしがみ付くのである、痛くてたまらない為に頭を振る事をやめた。
「ちょっと七夜! この子持ち主に返すんじゃないの!?」
んー? と、口に咥えたチュッパチャップスを動かしながら、資料に目を通している目をキリコに向ける。
「いや、返そうと思ったんだけどなぁ。飼い主がヤダっつたから……」
「所長権限で猫を飼う事にしましたーっ! 猫のリンちゃんでーす!」
「にゃーお」
「ええ―――――ッ! じゃあ私、このまま頭に猫が乗ったままですか!?」
「そうなるな」
「事務所に居る間は頑張ってくださいね。こ・れ・は、所長命令です♥」
こうして、キリコが入社して四つ目の事件を解決する事になった。
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