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絶望への共鳴 // ERROR

深層心理へのアクセス。結城七夜の日々。徒然日記。 裏; http:// lylyrosen. xxxxxxxx. jp/ frame/ water. html

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最後の力は、最後に使うからこそ意味がある。切り札は最後まで取っておけ。



最近小説を書くスピードがあまりにも遅いので、早い所書かないと拙いなぁ、と思い、昨日から書くスピードを上げたり、休憩する時間とかを色々と試行錯誤した結果、ようやく元の執筆スピードに戻りつつあります。

何とか三時間で5p書けるようになって、他の小説に時間を回す余裕が出て来ました。お陰で今日は今まで病気でいなかった三ヶ月ぶりに、ハスミさんに向けて書いていました小説を更新する事が出来ますよ。

……正直忘れているんじゃないかと思うんですけどね。何せ三ヶ月前ですから……その間に読み返す何て事はしなかったと思いますし、展開を忘れている可能性も無きにしも在らず。ハスミさん申し訳ありません、全ては病気になった自分に非があります……ッ!!

とまぁ、最近バイトが休みになる前の日にしか更新していないワケですけど、いやだって次の日にバイトあるのに更新できる神経は持ち合わせていないと言いますか←
いや別にやれないワケじゃなくて書くネタが無いと言いますか←
……ちゃんとやります……

イラストの練習もしないと行けませんし、TOPもいつまでもあの告知だと拙いんで、新しく変えたいと思っています。



それでは、続きからハスミさんへの小説再開です。
テレシアさま久しぶりに書いた。















 
 目が動く。鋭い目が動く……特徴と言ったらそれだけであった。正直それが決定打になるかどうかは解らないが、あの爪に加えて異常なほどの魔力量を加えて考えて見れば、それは確かに現実味を帯びて来る。
 立ったまましばらく見つめ合っていた。そしてシュタインは思う。
 ―――彼は、文献や伝説のみで目にする『魔族』なのだろう―――
 テレシアは居ると言っていた。グレイは架空の代物だ、と笑った。目の前に、その本人が居る―――つまり、テレシアは正しかった。魔族―――らしき人間―――は存在していたのだ。
 剣を握り直して臨戦態勢を取る。どれほど妙な魔術を使って来るかは解らない。この数分の戦闘で、多くの力を見せつけられたが、それもほんの一部だろう。完全に手の内は見せていないと感じる。
 それは戦闘においては当然なのだが……それだけ、実力の違いがあると云う事実に目を細める。
 しかし、まずは一つ、訊いておくべき事情が存在している。これは、今戦いが起こっていないからこそ出来る会話だ。
「……どうしてグールをあんなに大量発生させたんだ……? アレは、アナタの仕業だろう?」
 それに対して彼は答える事は無かった。
 ただ一言だけ―――
「立ち去れ―――」
 その一言だけで返されて、戦いは再開される。顔を歪めて、歯を食いしばって、一気に駆ける。
 交錯―――乾いた音が響き、爪と剣が交錯する。はじき返された体が大きく逸れるのは、恐らくシュタインの体自身が相当疲労しており、戦闘に着いて行けるレベルまで回復していないのだろう。
 一つずつの一撃が凄まじく重く感じる。恐らく先と同じ一撃なのだろうが、やはり体力の消耗か、と自身でも体の異変に気づく。
 体制を立て直そうにも、この剣戟の中ではそれも出来ない。剣を全て間一髪で爪の一閃に合わせて、何とか防ぎ切っている。
「ぐ―――ッ!」
 腕が痙攣を始めている。汗が、体温が、眼鏡を曇らせる。徐々に押されている腕を、一気に魔力を開放する事で前へと倒すと、一歩後ろに下がる。
 熱い息を何度も漏らしながら息を整える。肩を上下させて整える自らの体は、次の一撃に耐える事が出来るであろうか……? いや、耐えなければ死が待っている。
 上から一直線に襲い来る爪に反応して、腕を動かす。打ち合い―――軋、軋、軋―――鉄と鉄がぶつかり合うかのような音が響き、交錯。先と同じ行動を繰り返す。
 先と違うのは、明らかにシュタインは疲労しており、攻撃のテンポが前より一歩遅れている。打ち合う毎に息は切れ、肩で息をする。
 この状況では勝てない、撤退するしかない。解ってはいるのだが、その隙すら相手は見せてくれない。これはもはや―――死を待つだけ―――
 そんな思考の最中に、体が突然、重くなった。
「―――あ」
 腰が抜けた、そして同時に、脚に限界が訪れたのだ。
 咄嗟に反応して、一撃は何とか受け切ったものの、倒れたあと、すぐに視線を動かすと、そこには既に突きの体制に入っている彼が立っていた。
 死を、覚悟した。
 
 ―――それが、現れるまでは―――
 
「〝ガエ―――、」
 捻じれるように、空間が歪曲したと思った刹那、その歪曲の中心から、槍が飛び出した。
 魔族の男はその気配に命の危険を感じたのか、大きく跳躍して後ろに下がると―――
「―――ボルガ〟」
 爆破、轟音。
 一面に凄まじい衝撃が奔る。魔族が恐れるほどの凄まじい魔力を秘めた槍は、地面に突き刺さっている。綺麗な赤色をしつつも、禍々しい何かを放っているそれは、まるで矢のように放たれたのだ。
 助かった。驚きよりもまずその念が前に出た。これが乱入して来なければ、自らは今頃あの鋭利な爪に貫かれて絶命していたであろう。まさに九死に一生を得た感覚だ。
 男が後ろに下がったところを見計らって、シュタインも二、三歩、後ろへと下がると、視線を上に向けて、槍が出て来た方向を見る。
 ―――そこには、弓を持った青年と共に、探していたテレシアと、案の定休みを取ってどこに行っていたのかと思っていた教師エリセが手を振って木の上に立っていた。安堵のため息を漏らすが、ここがすぐに戦いの場だと思い出して、気を引き締める。
 状況は変わった。テレシア、エリセ、そして謎の青年の登場により、形勢は一対一から四対一に変わった。ただそのまま見れば確かに逆転出来ると思うだろうが、何せ相手は魔族―――強力な魔力と、常人離れした力を持った存在なのだ。油断は出来ない。
 まだ大丈夫な事を示すかのように、魔族は鋭い目を一同へと向けては別方向に、向けては別方向に、を繰り返し、爪を動かす。まるで神経が通っている腕か、脚か何かのように、爪も曲がる。見た限り、関節などは見当たらないが、良く見れば、鞭などと同じように何も無いところで柔らかく曲がっている。
 一見、人を貫ける代物ではないように見えるが、その感覚が誤りだと云う事はシュタイン自身が一番良く解っている。喉を鳴らして唾を飲むと、一同に顔を向ける。
 解っている。そう言ったかのように見えた、見知らぬ青年の口が微かに動いた。何かしらの異質感は感じているらしい。話が早くて助かる。
 そのままの状態で視線をテレシアの方に向けると、彼女は自らの事など目にもくれないで、目の前の男の方に視線を向けていた。魔族と思われる、その者の方に―――
 乾いた音が響いているのは、魔族の爪が原因だ。成長しているのか……乾いた音を立てながら、爪が徐々に伸びて行く。その光景に異様なものを感じる。
 伝説によれば魔族の寿命は常人、つまり人間を遥かに凌駕している。強力過ぎる魔力故に、長命なのだ。一説によれば、強大な濃度の魔力が崩壊してしまった細胞を復活させ、逆にその細胞を弱める事も、強靭にする事も出来る。言わば、細胞を自由自在に操れる変革者こそ、魔族。細胞分裂や成長をコントロールして、爪を伸ばし、剣のように、強靭にしているのだろう。
 なるほど、確かにその伝説を聴けば聴くだけ、人間では勝機が無い事が窺える。それが一対一の話であれば尚だ。シュタイン自身、良く生き残れた。
 相変わらず、警戒心を強めたまま動かない魔族に対してけん制のつもりか、青年が先ほどよりも弱い、微弱な槍を作り出して、放つ―――刹那、再び跳躍。
 爆破音をバックに、シュタインは森の茂みに隠れると、剣を展開する準備に掛かる。一対一の時は隙を見せれば負ける為、こうしてゆっくりと剣の生成をするのは難しかった。
 ―――しかし、今冷静に剣を生成しているからこそ解るのだが、あの青年が行っている武器を作る魔力の工程に一切の無駄が無く、そして強力な武装を作っているところには驚かざるを得ない。先に自らを救った槍―――名を、『ガエ・ボルガ』と言っていたか―――あれもまた、作るには難しく、かつ、放たれた魔力の量も尋常ではなかった。名前も引っ掛かっているのであるが、現在のこの状況下で思い出すのは難しい。
 とにかく、心強い〝味方〟と言っても過言ではないだろう。現段階では。
 魔族も先からシュタインの方には全くと言って良いほど意識を向けてはいない。向けているのは常に青年の方角だ。……恐らく、槍の投擲を危惧しての事だろう。シュタインに背中を取られるのと、あの槍に背中を捉えられる事―――確かに後者の方が恐ろしい。と言って、シュタインに対して警戒心を解いている訳でもなさそうだ。何せ、この数分間、彼の動きについて行ったのだから。
 現在の戦場の状況は大方そのような感覚だ。魔族を中心にして、謎の青年の攻撃が交錯している。テレシア、エリセ、シュタインの三人は魔族に視線を向けるものの、相手にはされていない様子だ。
 異様な魔力の量。テレシアの言葉を借りるのであれば、様々な種類の色が混在している状況だ。両眼異色であるテレシアと―――良く見れば、青年も両眼異色だ。二人の魔力を合わせれば一体どれほどまでの不可能を可能にするのであろうか……? 想像して思わず、音を鳴らして唾を飲む。
 そんな中、魔族の口が開く。
「―――…………立ち、去れ」
 静かに、同じ言葉を紡いで―――魔族の彼の体がぶれた。
 一瞬上下した刹那に、かの青年の目の前にまで踊り出、青年は弓を構えてそれを迎え撃つ。横に居るテレシアとエリセは表情一つ変えずに、隣の木へと跳躍して、綺麗に枝の上に乗った。
 軋―――、音が響いて爪が伸びる。縦横無尽に、まるで網のように動く爪の数々は、青年の動きを捉えようとする。
 一方の青年の方は、爪の攻撃を視認した瞬間には既に動き出していた。跳躍して、横からの一閃を躱すと、上空で……まるで時が止まったかのように停滞すると、腕を動かして弓を射る。
「〝ギエ―――、ボゥウ〟!」
 射、と乾いた音を立てて一直線に進む槍『ギエ・ボゥウ』は、槍の中心を軸としてジャイロ回転している。風を切り裂いて、一直線に、先ほどのガエ・ボルガとは違い、乾いた一撃だ。重くはなく、軽い一撃―――だがそれでも、内に秘められた強大な魔力と、それによって齎される被害がどれほどかまでは理解出来る。
 恐らく、あのギエ・ボゥウが地面に激突すれば、巨大クレーターが完成する。木々がなぎ倒され、地面が陥没し―――中央に居た目標を灰のように、消滅させてしまうような一撃だろう。
 多少の恐怖感を覚えつつも、何故か一つの確信があった。
 それでも、彼を殺す事は出来ないと。
 轟音を鳴り響かせて、その場に、椀を逆さにしたような、綺麗な形のクレーターが完成した。
「うわっぷ……!」
 思わず声をあげてしまうほどの凄まじい圧力と風は、すぐにでもシュタインの細い肢体を飛ばすのに充分過ぎた。咄嗟に、体を捻らせて落ちる瞬間に受け身を取ると、背骨が音を立てた。
 痛みに顔を歪めるものの、折れてはいないと、確信する。大丈夫だ、まだ動ける。
 攻撃を放った本人は、何食わぬ顔で木の上に立っている。先とは違う木だと云うのは言うまでも無い。この一撃で、彼が立っていた木も飛んだ。
 辺り一帯に焦げた臭いが漂う。白い煙が充満し、霧のようになるが、何者かが風の魔術を使ったのだろう。風に巻きあげられて、煙は空へと散った。上に行ったあとは、自然の風に流されていずこかへと向かう。
 ……さて、当の目標の魔族であるが……
 当然のように―――さも当然のように―――
 平然と、クレーターの中央に立っていた。
 多少、煙たいのか、咳を一つしたが、それ以外は何も変わっていない。ただ、先までの長い爪は無く、元の人間と同じほどの長さに収まっている。
 全く、とは言わずともあまり効果が無かったと知った青年は眉間に皺を寄せたあと、第二波の準備をする。腕を動かして、真直ぐ、魔族に標的を定める。魔族の男も、それに応戦するように、今度は、魔術を展開して行く。凄まじい魔力だ、魔方陣が具現化して、足元、目の前―――至るところに展開されて行く。
 次元が違う戦いの中に身を置き、戦慄するが……それも、すぐに終わる。
 理由は、第三者の介入にある。
「シュタインーッ!」
 その声には聞き覚えがあった。そう―――
「グレイッ!?」
 顔を見あげると、そこには上空より降りて来るグレイと―――武装を施した多くの人間たちが居た。そしてその人間の正体は、思いもよらない人間の口によって情報が齎された。
 それは、目の前で次弾の準備をする青年の口からこぼれる。
「お前たち、どうして―――」
 問い掛けに対して、一同は地面に降り立ったあと言葉を返す。
「若ッ、ご無事で何より! まぁ、とにかく、道端で知り合ったとは言え、もう既にコイツとはダチ! ダチの頼みであれば、放っては置けないよなァ!?」
『FOWOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOAHHHHHHHHHHHHHHHHHッ!』
 後ろの軍勢が声をあげる。その数、大まかに数えて三十を超えている。それぞれに武器を持ち、顔や体の傷は戦士の誇り―――多くの戦場を渡り歩き、この場にたどり着いた戦士たちは、今、戦友の為に剣を取る。
 はち切れんばかりの声をあげて、押し寄せる軍勢の魔術が剣より飛ぶと、魔族の男がその場から跳躍してそれ避ける。
「甘いッ!」
 刹那、その放たれた魔術が次々と着弾し、煙をあげる中、一部の魔術が弾道を変えて上へと向く。弧を描いて、跳躍して逃げる魔族を、後ろから狙う。宙を飛んで、逃げ場のない彼であったが、そのまま男は体を捻って、目の前に手のひらを差し出す。―――刹那、魔術を見えない強大な魔力の壁で無効化する。
 が、男たちの攻撃はそれでは終わらない。防御によって空に背中を向けた瞬間、男よりもさらに高く跳んだ多くの益荒男たちが、己の武器を敵に向ける。
 背中から来たと気づき、さらに体中の魔力を開放して、衝撃波にも似た一撃を繰り出す男の前に、一同の顔色が変わる。
 ―――強い。ただ純粋に、魔力の扱いに長けているだけが魔族ではないようだ。身体能力の扱い方や、向上させるタイミング―――彼は全てにおいて優れていた。
 地面に着地した一同。囲むように、魔族の男を取り巻く。
 だが…………
「……不利だな」
 誰にも聴こえない声で、男がそう呟いたあと、腕が動いて、刹那の内に、その場に濃い霧が不意に発生する。
「これは……」
「霧か―――」
 解っている。これを相手が出したと云う事は、逃走する事を意味しているのだ。逃がすまいと、今まで状況を見守っていたテレシアが動いた。それを見た男たちも霧の中に次々と突入して行くが―――
 結果、男を発見するには至らなかった。
「追うか?」
 グレイと共に来た、筋肉質の、大柄の男が、弓を扱っていた、テレシアとエリスと共に来た青年に問い掛ける。問い掛けに対して、いや、とだけ呟き、霧を見る。
「このまま追ったとしても、今の装備では相手の術中にはまるだけだ」
 一瞬にして、これだけの広範囲に霧を発生させるだけの魔力をあれだけ戦闘を行い有していたのか。シュタインは霧を眺めつつ、そう思考する。
 一方、先から霧に何か魔力のようなものを流して、調査をしているテレシアが、ようやく顔をこちら側に向ける。
 そう、シュタインとグレイの目的はテレシアの発見だ。これで、目的は達成したと言えるだろう。安堵のため息を吐く。神経を張り詰めた状況と、戦闘に疲れたシュタインは、背中を木に預けて座り込む。
 グレイが目の前に現れて、無事でよかったぜ、と他人事のように呟くが、それに対して苦笑で返すと、そうだね、とだけ。とにかく今は疲れた、休ませて欲しい。
「そうだな。一同疲労もあるだろうし、話したい事もあるだろう。……一旦、戻るとしよう。シャルル、彼を運んでくれ」
「了解」
 筋肉質の男の名前はシャルルと言うらしい。笑いを作って、シュタインの元に訪れると、片手で、彼を持ちあげる。
 


 to be continued......

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