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絶望への共鳴 // ERROR

深層心理へのアクセス。結城七夜の日々。徒然日記。 裏; http:// lylyrosen. xxxxxxxx. jp/ frame/ water. html

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彼女の力を過信し過ぎた。世界は滅びの道へと向かうのだよ。―――因果応報、アカシックレコードの定め



最近めっきり寒くなって来まして……いや、そこまで寒い訳じゃなくて、どちらかと言うと涼しくなって来た……と言うべきですな。
まぁ凄まじく暑いよりはマシですけど、とにかく、秋と云う代物があって欲しいとは願っていますがな。夏から突然秋をふっ飛ばして冬とかは体に良くないんで本当によしてください、はい。

最近更新しようにも、バイトから疲れて帰って来てPC開いて小説をうつ……これをやるだけでblogを更新する時間を著しく持って行かれているので本当に拙いです。早い所、更新サイクルを定着させないと拙い気がします……一週間に一度しか更新しないってのはあまり個人的には良い状況では無いので……
まぁ明日もバイトが在るワケですが(笑。今日は休みだったので小説うって、イラスト描いたりの時間を過ごす事が出来て良かったです。

一昨日だったかな(記憶が曖昧)、オリジナル小説のALICEを更新しました。ストックが再び溜まったので更新したんですけど、三ヶ月のブランクは大きかったですね……描き方を一瞬忘れてしまいましたよ……
で、TOP絵も新調しようと思って、適当に描いた我が家のリンちゃんを上にペタリ。これを着色して、それで良いかなぁ、何て思っていたりします←
前から見ている人は解るかも知れませんけど、リンちゃんの髪形が変わりました。
いや、あのツンツンは拙いかなぁ、とそろそろ思い初めまして……

そういえば、BRSの生放送を今日見たのですが……もう発売が間近に近付いていると考えるとワクワクしますね。自分は既に初回版BOXを予約済みです。早くプレイしたい所です。


紳介さん引退については、色々と周囲から言葉があるようですけど、個人的にはちょっと惜しい人を失くしたなー、と思いましたとさ。




以下、ハスミさんへの小説です。







 
(6/異物考察/下)
 
 森の奥地にある集落を初めて見たシュタインとグレイは感心し……二度目であるテレシアとエリセは何食わぬ顔で……当の住人であるグレイスとシャルルも何食わぬ顔で。それぞれの赴きで集落に足を踏み入れると、一旦、シャルルたちは離れる。色々とあるらしい。
 とにかく、現在の状況を確認するべく、グレイスの家に訪れた一同。その強大な魔力の奔流に、シュタインとグレイだけは驚く。―――と、グレイスがテレシアとエリセにした説明と同じような説明をして、納得させる。尤も、今回の説明には、テレシアの発明品の活躍もあり、安定軌道に乗ったと云う部分が追加されていたが。
 彼女らしからぬ、人を思いやる行動にあり得ぬ、と顔をしかめるグレイに反して、シュタインは微笑しながら彼女を眺める。
「別にわたしの意思じゃない」
 素気なく、そう返される。
 何にしろ、シュタインにとって彼女の発明品が結果的に人の為になったのが嬉しかったのだ。あのように、自分の私利私欲だけに使うのではなく、他人の為に……
 無論、そんな言葉を放ったつい数日前、理想論だと言われたあと、頭を叩かれた。故に口では言わない。心の中で呟くに留まる。
 ……ちなみに当のテレシアの方は、その釘を刺していた先日の言葉をシュタインが必ず言うだろうと思っていたのであるが、言わなかった事が意外であった。
 結果として、二人は心の中では同じ考えをしていた訳だ。
 誰しも、他人の腹の内など知る芸当は出来ない。だが、本当に心で解り合える人間だからこそ、それは可能なのだ。決して仲の良いとは言えないものの、彼と彼女の間には、何か確信染みた直感を共有するラインが引かれているのかも知れない。
 グレイスは、前を歩きつつ、そんな二人のやり取りを感じていた。不思議な人物だ、と、同時に思う。
 そうして、彼の頭の隅で思考を終えたあとすぐに、応接室に案内される。先の巫女の部屋とは違い、本当に大人数が入るのを想定した巨大さだけを重視した部屋だ。
「本来ならば、町の組合でのみ、ここを使うんだが……如何せん、事が事なのでな。許せ」
 それでも内部構造は巫女の部屋とあまり変わりはない。強いて挙げるのであれば、壁に珍妙な代物は存在していない点か……それ以外は、巨大になったものの、形やデザインの変わらないテーブルと、数の多くなった椅子であり、同じだ。
 それぞれ空いている椅子へと座る。順番は適当だ。そこまで考えて座る必要性は無いのだから。
 すぐに家の使用人だと説明を受けた、給仕服を来た少女が姿を現し、客人たる一同と、自らの主としている彼の目の前に茶を提供する。説明では、この辺りで取れる葉の茶らしい。渋みと風味が最大の魅力だと言う。それでは紅茶と変わらないのではないのかと思うと、それともまた違った味がするらしい。取りあえず、口に運んで見るとこれがまた美味であった。なるほど、確かに紅茶とは違う。
 しばらくすると菓子類も運ばれて来たのであるが、それと同時にシャルルが複数の人間を率いて、姿を現したところで茶会は終了の様子だ。
 シャルルが連れて来たのは、この集落に存在している、プランサスロンス家に深い恩があり、シャルルと同じで森の安全を守っている部隊の隊長たちだと言う。今日あった出来事を知る必要のある人物たちだと、言われ、同席を許可する。
 本題に入ろう。まずは現在に至るまでの状況を確認する。
 今回の状況を一番初めに確認した少女―――テレシアに一同の視線が集まる。すると、舌打ちしつつ、彼女は口を開く。
「……わたしはただ、実験のモルモットを探しに来ただけだ。それで昨日のような事があったからな。不思議に思うのは道理だろ?」
 同意、と言ってエリセも同じ答えを放った。彼は同じ理由で学院の有給休暇を取り、森の散策に来ていたところで彼女と合流し、行動を共にしていた。二人一緒に入ったと思っていたシュタインの見当は外れていた。
 次に、シュタインが手をあげる。
「僕はそれで、テレシアが学院に居なかったから……多分、先日の事もあって森の方に入ったんだろうな……と思いまして……」
 森の中に入った訳だ。
「んでもって、それを見ていた俺も来たワケ」
 あとに、グレイが言葉を繋げる。
「……私たちは、常にこの森の監視をしているのは、教えた通りだ」
 グレイスの言葉に、一同も頷きを返す。
「森を守る為に、政府に依頼を受け、この場の安全を守っている。テレシアとエリセには言ったが、巫女がこの森に巨大な結界を張っていて、それで異常を察知したら―――」
「俺たちみたいな部隊が出撃するワケさ」
 シャルルは自らの胸に手を置いたあと、周りに座る隊長諸君に手をかざす。
「だが述べた通り、巫女であるルチアの魔力が追いつかない。もう枯渇が近い。だからこそ私は、彼女の機械を使って、今この場をやりくりしている」
 彼女の発明品と言うのが、テレシアの開発し、森に設置した監視システムである。
「別に異常が無くとも、最近ルチアちゃんの魔力が落ちているからな。ああして、森の中を巡回している。その途中で、グレイに会ったワケだけどな!」
「あ、はい……。シュタインが魔族に襲われて、急いで学院に戻ろうとしたんだけど……途中でグールの群れに襲われて……」
「グールの群れ……大群のヤツか?」
 初めて、グレイの言葉に対してテレシアが言葉を返した。これは本当に希な事である。が、そこに驚いている余裕は今無い。
「ああ……無数に居るんだよ……こう、ぶわぁああああ! って」
 擬音で表現する彼に対しては反応しなかった。
「……わたしたちが襲われたヤツだな」
「そのようだねェ」
 そう、テレシアとエリセも、グールの大群に襲われて危なかったところを、グレイスに救われたのだ。
「場所はどの辺だ?」
 今度はテレシアからグレイへの質問。これもまた珍しい。
「確か、もう出口も近かったと思う……」
 その言葉に、拙いな、と一同顔つきを変える。早過ぎる。進行が早過ぎるのだ。
 あの時、二人がグールに襲われた時、この集落の近くに存在していた彼らが、少し経っただけで入り口近くまで進行していたのだ。このままのペースだと、今頃学院にたどり着いているだろう。―――正直、テレシアは学院がどうなろうと知った話ではなかったが、あの研究室が無くなるのは痛手であった。
 ここからあそこにどれほど全力で行ったとしても、現在の魔力配分では相当時間掛かる。三十分は覚悟する。それにグールの大群があの魔族の男の仕業だとするのであれば、今から行って再び邪魔に入る可能性もゼロではない。グレイは出口に近かったと言った。諦めるのが無難だろう。
「取りあえず、近くに居る別働隊に命令を出して見る。ルチアの能力を使えば何とかなるだろう」
 果たして、それで間に合うかどうか……
 グールが街に出るとなると、確実に政府は動く。プレザンス王国女王の権限に置いて直轄の軍隊『高貴なる騎士団(ロイヤル・ナイツ)』や下手をすれば『粛清の騎士団(ナイト・オブ・スペード)』が出かねない……その際、住民がどれほどの混乱を起こすか、それに乗じて現在は沈静化している魔術革新派と科学革新派がどのような行動を取るのか……謎な話だ。
 魔族が存在していると知れば、世界は混乱に包まれる。架空の物だと信じて疑わなかった人々が、国へ不審を持ち始める事も考えられるのだ。存在していた魔族を、政府は知っていたのではないのか? と云う不信感から、それが出来あがるのは歴史を見る限りはよくある話だ。
 恐らく、人類が繰り返す歴史は……戦争の一文字。魔族と、人間の戦争が起こるだろう。
「……何か、とんでも無い事になって来たなぁ……」
 まるで自分は関係無いと言わんばかりに、楽観的にグレイは呟く。
「何だ、実感が無いのか? 自分たちの国だぞ? 下手をすれば、世界すら巻き込みかねない」
「いや、確かにそうなんだけど……目の前に、近いところにそれがあり過ぎて、逆に実感沸かないってか……」
 確かにな、とグレイスは頷きを返す。グレイス自身も、魔族が本当に存在しているとは思っても見なかった上に、戦争で自らの街が、森が、国が、焼かれるとは到底思えないのが実の話だ。
 そう、魔族は実在していた。その事実だけがひたすらに、彼らを恐怖させる、不安にさせる。―――当然、テレシアとエリセは平然としているが―――特にテレシアに関しては自らの仮説が正しかったのだから、全く問題無いどころか、逆にメリットすらある。自らが提唱した仮説は正しかった、自らの研究は正しかったと……行き過ぎではあるが、そこまで大手を振って言えるのだから。
 彼女にとって研究の成果こそが全て。先に存在している世界が破滅だったとしても、それは関係の無い話だ。自らは膨大な魔力を使って戦争から隔離した場所で生き続ける。結界だろうと、何だろうと張れば良い。別の国に行ってしまっても構わない。その場合は精霊の加護が無くなってしまうが、その点は命には代えられない。テレシアの考えは、外道ではあるが、人道的ではある。喩え矛盾を孕んでいようとも、存在し続ける―――それこそ、彼女なりの、〝生きる〟と云う行為だ。
 生きる、とは…………人が産まれながらにして持っており、その意味を、人生を賭けて探し出す代物でもある。実感する時は人それぞれだ。ただ、最後まで探し出せなかった人間も多く存在している。誰もが、その意味を、確認するに値する〝特別〟な人間には成り得ない。
 だが言えば、自分の信念でこの世界で、まるでダンスのように踊る事が出来れば、平凡でも特別になり得る力を持っているとも取れるのだ。
 戦争はそれを否定する、いわゆる逆説、エゴのような代物だ。生きる意味をはく奪し、その人間に意味のない生きる意味を与え、命のやり取りをさせる。まさにこの世に蘇った地獄―――煉獄だ。
 一同の間に漂う沈黙。ただ、ひらすら、自分の中にある何かと葛藤を繰り返す一同。テレシアとエリセだけは、思うままに行動すると既に決めている。自らが決めた信念と云う名の論舞曲を奏でる。
 悩んでいる時間は与えられていないのかも知れない……シュタインは眼鏡をあげつつ外の風景を見る。こうしている間にも、グールは一般市民に被害を与えている可能性もある。決断をして、行くのなら行き、逃げるのなら逃げる―――どちらかを決めるしかない。
 逃げる事に対する勇気と、立ち向かう無謀を、グレイは考えていた。自らはあの時魔族に出くわして、何も出来なかった。ただシュタインの戦う姿を眺めていて、逃げるしか出来なかった。だから自らが戦いに挑むと云うのは、無謀なのではないのだろうかと。―――勇気と無謀は違う。それくらいは自分でも解っているつもりであった。
 答えは決まっている。それは信念だけではなく、国からの命令でもなく、常に自らの内に存在している誇り。プランサスロンスの名を引き継ぐ者として、一族の誇りを胸に秘めている。戦いが始まるのなら、家族を守る為に戦いに挑む、剣を取る。グレイスの思念は揺るがない。
 彼が戦いを選ぶのであれば、自らたちは命を賭けて彼と共に行く。それが最初の約束であり、自らの生きる意味だ。シャルルの命は彼と共にあり、運命も彼と共にある。それが、自らのような人間に手を差し伸べてくれた、プランサスロンス家へのせめてもの恩返しだと信じて。
 だが―――問題は多く存在している。戦った人間なら解る。あの魔族とか云う存在は、伝説そのままの能力を秘めていると言っても恐らく過言ではない。
 強大な魔力、見た事のない魔術、体術。魔術戦、格闘戦、全てにおいて人間の限界を突破している。シュタインが一番良く解っている。戦った彼だけが特別そうなら良いのだが……果たして、それはどうなるか。
 仮に、アレと同じような能力をもった魔族が無数に存在して居れば、本気を出せば恐らくこの国はひとたまりもないのではないのだろうか?
「問題はそこじゃないだろう? 今見るべき事柄は確かに相手の戦力もそうだが―――」
 解っている。グレイスの言っているのは正しい。
 今一番の問題は、町に向かっているグールをどうするかだ。ここで座ってのんびり談議している暇は、一刻も存在していないのである。
「既に別働隊に動くように伝達したんだが、まだ報告はないな」
 机を指で叩きながら、待ち続けるグレイスを見て大丈夫だろう? と肩を叩くシャルル。この二人は確かな絆で結ばれているのを示す一面である。
「イライラしても仕方ない。取りあえず、今は別の問題から始めようぜ」
 ああそうだ。そう、テレシアが呟いた。
「……これでわたしの考えは実証された。なら……問題は次の段階に入るだろう?」
「その通りだョ」
 乾いた音を立てて、エリセが机を引きずって立ちあがる。
「次の問題。
 それは、魔族がどれだけの数が存在しているか?
 どこに住居を構えているか……。もし人間ほどの文明を備えているのなら、こんなプランサスロンスと同じように集落を構えているかも知れない。
 最後は―――目的だ」



 to be continued......

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