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絶望への共鳴 // ERROR

深層心理へのアクセス。結城七夜の日々。徒然日記。 裏; http:// lylyrosen. xxxxxxxx. jp/ frame/ water. html

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優しく全てを包み込むその光が、この星にはある。



久しぶりに読んだら止まらなくなった……VenusVersusVirus。

何か半年に一回はこのblogに登場するこのVVVは本当に突然無性に読みたくなる症候群が来る。キャー、ルチアさんステキー。

まずダークファンタジーであり、王道であり……銃を使って化け物バンバンブッ潰して行く美少女―――これは厨二全開で、とっても胸が熱くなる作品。もっと評価されるべきだと個人的には思っています。……まぁあくまで個人的なあれですけど……

何にせよ、優しく駆除してあげる、は名言←


最近どうにも眠気が止まらないと言いますか、疲れが取れないと言いますか……そんな感じで参っています。寝不足ってワケでも無いんですけど、体が疲れているのかも知れませんねぇ。

風邪も流行っているみたいで、友人も今日一人午前中で帰って、午後からの講義に出なかったんで……うーん、心配です。これからの季節はそう言うのが増えると思うんで、気をつけて行きたいと思っています。

まぁ何にせよ、明日は昨日も言った通り、研究室の先輩や先生たちと一緒に飲み会何で、それだけは楽しんで来たいと思いますー。久しぶりにお酒が飲める。


以下、ハスミさんへの小説、二日連チャン。
何とか連続を続けられそうだ……




 
 ……それに対して苛立ちを覚えているのは、当の本人であるテレシア自身だ。
 歯軋りをして、落ち着きの無いように、腕を動かし、手のひらを閉じては開きを繰り返す。シュタインかエリセが見れば、明らかに機嫌が悪いと思うだろう。
〝どいつも、こいつも……ッ〟
 どうしてこうまでして、人と一次的接触を極端に求めようとしているのか……理解に苦しむ。
 他人に対しての接触は何一つ良い事など存在していない。ただ面倒なだけだ。だと言うのに、あの莫迦どもは揃って自らに関わろうとしている。利益も無い、見返りも無い……下らない、何も、面白くも何ともない……シュタインも、グレイスも、シャルルも……何がしたいのか解らない。理解出来ない。訳が解らない。
 人は独りでは生きては行けない―――そのような言葉は単なる甘えだ。弱者が放つような言葉でしか無いのだ。独りでは生きて行けないと言って、他人に甘えて、強くなったような気がしているだけだ。それは強くなったのではない、弱くなったのだ。決して、強いとは言えない。
 ―――だからこそ、テレシアは独りでも強くあろうとする。誰の手も借りずに、独りでも強くあれるように……それによって周りに奇異な目で見られたとしても知った事ではない。壊れていると言われても、思われても、構わない。
 それこそが、テレシア―――テレシア・A・ランサーの答えなのだから。
 そう、革命家も、芸術家も、どこか壊れているのだ。そこに不思議はない。他人とは違った思考をして、違った事をする。そんな中に、本当に世界を導く人間とは居るものだ。ただ大衆はその違いを恐れて、忌み嫌い、迫害する。……愚かだ。
 この先に存在している光景は恐らく、テレシアを歓喜させてくれるだろう。常人に成し得るのは難しい、魔族と云う規格外の存在だからこそ成し得るそれがこれから目に飛び込んで来るのだから、胸が高鳴り、背筋が震え、冷や汗が流れる興奮。だが、それも、一同の妙な節介のせいで冷めてしまった。……この代償は大きい。
 溝を埋めるのは容易ではない。魔族がこれから行おうとしている行為……それで埋められれば良いだろう、と思い、テレシアは歩を進める。
 …………何をするのも勝手だが、願わくはゲーベル学院の施設だけは壊さないで貰いたいと思うのであった…………
 
                                  ◇
 
 シュタインの魔術によって構成された剣によって、木の草、枝たちを切り取って、ようやく前に進める。そうしてたどり着いた場所は、広い場所であった。……しかしここまで来るのに長かった。
 この場所を覚えている―――いや、忘れる筈が無い。当然、一歩後ろを歩いているエリセもその光景には見覚えがあった。
 ここはゲーベル学院の近くの森の広場。プレザンスの森の入口付近の場所だ。シュタインはテレシアを追って良くこの場所を通るので覚えている。それでなくとも、ゲーベル学院の演習で使われる事も稀だがある。……ちなみにここから少し別方向に行くと、テレシアと武装グールと戦った現場になる。
 ついにここまで来てしまった。喉を鳴らして唾を飲むシュタイン……これから起こる出来事に緊張しているのだ。それに対して、エリセは涼しい顔をしている。緊張感の無い顔だ。さらに後ろの方に視線を向けると、続々と武器を取り出して構える小隊の益荒男たち。
 そうだ、ここまでくればもう魔族はすぐそこに居ると言っても過言ではない。彼らはいち早くその殺気を感じて、武器を取り出したのだ。
 しかし、この辺りにはグールの山は居ない。ルチアの言葉では、プレザンスの森の入り口付近に大量のグールを引き連れた魔族が居ると言う話であったが……その目印になるグールは一体も存在していなかったのである。
 それほどまでに、テレシアたちがグールを片付けてくれたのか……しかし、それにしてはこの辺りは綺麗なものであり、グールの残骸一つ存在していない。まるで最初から、ここには何もいなかったかのように、綺麗なままでそこに存在している。本当に魔族がここに存在しているのか不思議なくらいだ。
 ―――強大な魔力は確かに感じている。シュタインは音を鳴らしながら唾を飲むと、辺りを見渡す。これほど強大な魔力を撒き散らしているのだから、必ずこの辺りのどこかに存在している筈なのだ。そうでなければおかしい。その事実だけは相違ないだろう。
 いつまでもここで止まっている訳には行かない。警戒だけは怠らずに、一同は一歩ずつ、前に進む。その先に存在しているのはプレザンスの森の入口と、ゲーベル学院だ。……この時間帯だと、ゲーベル学院はそろそろ帰宅時間であり、多くの生徒たちがまだ滞在しているだろう。そこにグールか魔族が突入して来たあとの光景など、考えたくも無い。
 響き渡る生徒たちの悲鳴と、グールが行う殺戮によって起こる阿鼻叫喚……殺戮地獄。そこにあるのは無慈悲で冷酷な、戦闘本能の塊である化け物たちだ。希望など存在しない戦場。
 その光景を考えるだけで、シュタインの胸は引き裂かれるような思いに晒されるのだった。
 それだけはどうしても避けなければならない。そんな最悪の結果を避ける為に、今ここに自分たちが存在しているのだから。喩え魔族が、ただこの森から人間を追い出したいと思っているだけだったとしても、人の命を奪う事に対する口実にはならない。
「それは随分と偏ッた……人間染みた考えだねェ」
 そんな考えに、エリセがそう口を挟む。
 ……何が言いたいのか解らないが、シュタインは自身が人間ではないと思った事は無い。人間染みた考えをするのは間違いであろうか?
「……えーと……つまり、どう云う事ですか?」
 問い掛けられたエリセは、ふむ、とだけ頷いて、自身の考えを述べる。
「殺人は、悪い事なのか? シュタインくん」
「……え」
 それは突然投げ掛けられた疑問。誰もが当たり前に持っていると思っていたそれを覆すような言葉……人の命に対する冒涜の言葉。それが彼の口から発せられたのだ。
 答えは当然、応、だ。
「人の最低限のモラルだと思いますよ。もしそれを犯してしまったら、それは人間じゃいられない。裁かれなきゃ行けない存在になると、僕は思います」
 正論だ。必要最低限のモラルとは、人間が行って良い領域と、行ってはならないと云う、人間自身が作り出した秩序と正義の事を示す。それを超えてしまっても、後ろに下がり過ぎても問題だ。
 人の命は存在の塊だ。これから伸びるべきだった未来、あった筈の過去、人との繋がり、IFの考え―――どれほど歴史に、世界に影響を及ぼすか測り知れない歪みが、この世に生まれてしまうのだ。
 故に、それは許されないとシュタインは言う。人である以上、最低のモラルだ。
「だが相手は魔族。人間じャ無いんだョ」
 その言葉を聴いて、目を見開く。
「人間には人間のルールがあるように、魔族にも魔族のルールがあると考えるのが自然。喩え殺人が人間の間では許されないモラルの破壊だったとしても、魔族ではそうではないのかも知れない。そうだとは、限らない……」
「でもそれは理屈じゃないんですか? 彼らだって……」
「……自己中じャない事だけを祈るよ、僕はね」
 ……止められた言葉。
 だとしても、同じ四肢を持ち、理性を持っている人型の存在だ。他者を……同じ種族を殺すとは思い難いのだ。それと同じで、同じ形をした人間を殺すとも考えらない。
 しかしそれはあくまで、シュタインの思い込みに過ぎない。
 ……辞めよう。これ以上考えてもこう言った話は限が無いのを知っている。それに、つい先ほどエリセについての異常性を思ったばかりではないか……
 今考えるべき一番の問題は、目前に存在している危機を回避する事だ。ゲーベル学院だけでは無い、この国にも関わっている重要な案件なのだ。出来れば穏便に済ませたいと云うのは心中だ。
 一度あの魔族と戦闘したシュタインだからこそ解る。―――あの魔族は強い。しかし何としても、彼を倒さなければならないのである。これ以上、グールを先に進ませない為にも、無益な争いを作らない為にも。
 それがどれほど難しい事かも解っている。だが、一度戦闘経験があるから行かせてくれと、手を上げたのは自らなのだ。自分からやろうとしたのを途中で投げ出したくはない。自分でやろうとした事は、成し遂げたいのだ。
 その心中を察したのか、それとも純粋な興味なのか―――恐らく後者だろうとシュタインは思う―――こうしてエリセも同行して、隣に居てくれる。少なからず、頼りにはしているのだ。明らかに彼は自らよりも魔術の腕前は上であり、剣でしか戦う術が殆ど存在していない自らをサポートしてくれる。……そして後ろには、それをさらに強力にサポートする、一族より来た益荒男たちが居るのだ……相手が一人だけならまだ太刀打ちのしようがあるだろう。大量のグールが居たとしても、彼らが対応してくれる。追加としても、後ろの方で他のグールを駆逐している三人と小隊も存在しているのだ。
 状況はこちらの有利な上に、数も圧倒的。あとの問題は、その魔族がどれほどの力を誇っているかどうかだ。本気の実力がどの程度のものなのか……願わくは、先に戦った時の実力が限界ならば良いと……シュタインは思った。
 だが、書物や伝承を元にするのであれば……あくまでお伽話だが……魔族の実力はシュタインと戦った時の能力を遥かに超えている筈なのだ。それが前の戦いでは発揮されていなかった。どちらにしろ、気を引き締めて行かなければ地面に倒れて死んでいるのは自分だろう。その光景を思い出して唾を飲む。
 進む事数分が経過したが、今のところ、ゲーベル学院の姿は見えない。出口もまだ遠いらしい。そしてここまで進んで来ても、まだ大量のグールの姿は視認出来ない。
 もう後戻りは出来ないところまで来てしまったのを改めて確認する。……いや元々戻る気も無ければ、テレシアを追ってここまで来た道だ。後悔も無い。それよりも前述した通り、目の前にあるその出来事に対して背中を向けて逃げる方が後悔になる。
 後悔がないように生きろ―――その言葉こそが、一番慕っていた父親から教えられた一番の教訓だ。
 が、グレイスやシャルルが言っていたように、勇気と無謀は違うのも解っている。それだけは胸に留めておかなければ、死んでしまうだろう。戦いの中においては、戦うべき相手を見極めなければならない。
 
 自らの思いを固めているシュタインが居る一方で、エリセの方は辺りの空気に敏感に反応していた。
 そう、あまりにも静か過ぎる事に不信感を覚えていたのである。
 通常なら、この辺りまで侵入すればグールの大群が目の前に現れても不思議ではないのだが、その気配すらない。最初の作戦では確かに、後ろでグールを抑えているテレシアたちがグールを引き付けている間に、と言うのが作戦なのだが……上手く行き過ぎている。戦略的にも、別働隊を予想して、幾つかこちら側にグールを回しても良いようにも思えるのだが……
 ……嫌な予感が脳裏をよぎる。そう、エリセも結局テレシアと同じ考えに行き着いたのである。
 ―――もしかすれば、敵は既にグールによる大量攻撃を必要としない段階まで進んでいる可能性があるのだ。そうなれば確かに大量のグールを配置するなどと云うコスト的にもあまり良くない事をしなくても良い。大量のグールの操作には、それに見合った大量の魔力を必要とするからだ。
 ……魔族の能力は未知数だ。グールを必要とせずとも一人の力でこちらを封殺出来ると思った可能性も、否定し切れない。
 何にせよ、様々な疑問が残っているのは事実だ。妙な形で、それが実現しなければ良いのだが……
 ―――そう思った刹那であった。
 一瞬の後に、強大な魔力の奔流が、まるで竜巻のように風を巻き上げて、吹き荒れる。その中に存在している凄まじい殺気―――シュタイン、エリセ、そして後ろを行く多くの益荒男たちが、その気配に気付いて身構える。
 来た……そう、ヤツが来た。
 たった一人の魔族の登場に、数十人の益荒男たちが構えた。
 

to be continued......

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