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絶望への共鳴 // ERROR

深層心理へのアクセス。結城七夜の日々。徒然日記。 裏; http:// lylyrosen. xxxxxxxx. jp/ frame/ water. html

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* A L I C E * ACT 16


 

返って来る物と、帰って来るもの。

返って来ない物と、帰って来るもの。


当然だろう? オマエは少女の騎士であることを願った――

 

ハスミさんに捧げる『美少女翻弄学園伝奇SFファンタジー』小説もう、戻れないACT 16

 

 


 がらくたは捨てておいた、まったく、面倒だったしな。
 だから今私の手には最低限の荷物と、奪取した大太刀が握られている。一応、布に包んで荷物に紛れさせているからな、見つかることは先ず、ないだろう。
 荷物を抱え、私の部屋に戻る。さっきリンが言ったことを真に受けていれば、藤咲は部屋にいるはずだ。
 がちゃり、と、ドアノブをまわして部屋に入る。
「おかえりなさい、リ……じゃないわね。
 凛、何をしているの?」
 相変わらず面倒なヤツだ。
「何って、オマエの部屋の荷物を持ってきてやったんだろうが。感謝してくれよな。ほれ」
 がっしゃん、と音を立てて、藤咲の荷物を床に置く。
 全く、肩がこったぜ。
「そうでは無いわ。問題なのは、貴女が今左手に持っている代物の話よ」
 ち、コイツ、気づいてやがったか。
 私は観念して、後ろにある大太刀を前に出す。太陽の光を浴びてキラリと輝く大太刀の刃が、私の顔を照らす。
「やっぱりね。貴女のことだから部屋からこれを持ち出すと思ったわ」
「だろうな」
「いいこと? わたくしはもう『永遠の論舞曲』の参加者じゃないわ」
 そう唐突に言うと、藤咲は袖を捲り、前まで聖痕があった箇所を指差す。――確かに、前に其処に聖痕があったけどな、今は無くなってやがる。
『永遠の論舞曲』は魔力の源を絶たれたら終わりだ。元来、このシステムを作り出したヤロウが、ステンドグラスに魔力を溜めることによって、ゴルディアン・コフィンを呼び出すと云うシステムを考案したんだからな。敗北者の魔力が絶たれた場合……簡単に言えば、死ぬか、魔力を生成する■■■■を破壊されればそれで終了だ。その魔術師の魔力は全て、ステンドグラスに自動的に転送される。そして勝利者以外……つまり一一人分の魔力が溜まれば、ゴルディアン・コフィンの降臨準備は完了したようなものだ。後は魔力が停滞しやすい場所で降臨すればそれで完了。めでたく、『永遠の論舞曲』は終曲、というわけだ。
「それは解っていてよ」
 まぁ当り前だ。知らなかったら、おかしい。
 藤咲が言いたいのは別ことだろうよ。
「つまりアレだろう?
 問題は、騎士が死んだだけだと云うのに、藤咲、オマエが脱落扱いになったと云う事だろう?」
 私の言葉に、藤咲は苦虫を噛み潰したような表情をする。どうやら図星のようだな。
 まぁ、その件に関しては私も良く知らない。だってそうでしょう? 今まで前例がないのに、そんな事を知っている筈がない。
 つまり、コイツは敗退したと云う事だ。無残にも、惨めにもな。
 唇を噛む藤咲。ま、さぞかし悔しいだろうよ。
「大丈夫だ、お前の分は、私が、私の願いを叶える為に翻弄してやるよ。
 そうだ、オマエとの一時期の契約も此処で終わりにするか?」
 すらり、と大太刀を藤咲に向ける。
 いい機会だ。今此処で藤咲を殺しておけば、心残りは無い。リンは完全に壊れるだろうな。ジョーカーが消えれば、コイツも思い出すだろうよ。記憶を……
 考えれば行動に移すのは容易い。
 私は一気に藤咲の喉元に向けて、大太刀を突き刺そうとする。
 藤咲は床においてあるデカイ代物に手を取る。――が遅いぜ。それの布を取ってから攻撃するにはラグがある。私の攻撃の方が早い!
「――っ!」
 ヤツもそれを悟ったのか、藤咲は顔をゆがめる。得意の読心術も此処では役にたたねぇな!
 殺った――、と思った。

「……腕が、うごかねぇ」

 大太刀のきれっぱしは、藤咲の喉一センチ程度手前で止まっていやがった。


 ◇


 わたくしの目の前で止まっている大太刀の先。
 ……正直、覚悟を決めたわ。
「……腕が、うごかねぇ」
 凛のその台詞。どうやらわたくしは助かったみたいね。
「なら――!」
 凛が大きく振り被る。
 そして一気にわたくしを真っ二つにせんと……
 また、きれっさきは止まった。
 わたくしは急いで後ろに下がり、礼装に手を取る。
 布を取ろうとする、と――

「やめた」

 凛が大太刀を下ろした。
「オマエは斬れない」
 そう言って、凛は大太刀を投げ、意識を失くした。
 どうやらわたくしは助かったみたいね。
 それにしても、どうして凛の一撃はわたくしに届かなかったのかしら……
 それを不思議に思いながら、わたくしはいずれ目を覚ますであろう、リンをベッドに運んだ。


 Interlude......


 大太刀を輝かせる。
 女、渡辺明日香は暗闇の中を歩いていた。
 ガヴェインとの戦闘により、負傷した足は完治した。無理矢理魔力でつなげただけだが、それでも今現在は正常に機能している。
「――」
 明日香がこの街に居なかった間、この市での脱落者は“三名”。自らが殺した人間を含めると六名。つまり、半数が脱落したことになる。ステンドグラスには既に六つの光が灯っていると、明日香は考える。
 自らの願望までは、もう少しである。
“御主人様……もう少しです。もう少しで、明日香は、御主人様と会えます”
 首に掛かったペンダントを握り締める。
 それは、届かなかった手を、再び握るために必要なモノ……。果せなかった約束を果すために、女が必要とする絆。これがなければ、明日香は今まで戦ってこなかったであろう。
 それだけが願望。明日香にとって、自らの主との約束こそが、今此処にいる証。そして、意味。
 知りもしない魔術を学び、只管に厳しい鍛錬に耐え抜いた末に手に入れた今の自分。
 全ては望みの為に……そのためだけの機械に、パーツになる。
 ゴルディアン・コフィン――奇跡を成し遂げる存在、アリスへの昇華。それこそが願いをかなえるためのモノ……
「こんばんは」
 だが、今目の前に居る女を相手に、明日香は自らの危機を感じた。

「……何者?」

 明日香の問いに、

「――」
 口だけで答えた。

 大太刀を抜く。
 目の前の人物が『永遠の論舞曲』の参加者だと云う事は解った。ならば、自らの望みの為に目の前の敵を只蹴散らすのみ。それ以外の道などない。
 大太刀を振り上げ、発火の能力を乗せる。
 刹那の内に燃え上がる大太刀。拡散する炎は、容赦なく明日香の目の前に現れた女を直撃した。
 殺した。明日香の先ずの思考はそれであった。
 炎の大太刀を披露したのはこれで七回目だが、その全て――喩え命までとらなかったとはいえ、直撃した人間は全て戦闘不能か、若しくは死亡している。その経験から、目の前の女も同等――確実に息の根を止めた。もし生きていたとしても、それは風前の灯、消え行く陽炎。
 だと云うのに、炎の間を抜けて、何かが飛んで来る。
「――!」
 咄嗟に大太刀で払った。
 金属音を立てて、地面に突き刺さったのは、あろう事か、あの騎士が使用していた武器、アロンダイト。
「いや――違う?」
 だが細部が違う。完全なアロンダイトでは無いが、それは一目だけ見れば、確実にアロンダイトと間違えるであろう、その形状。そのアロンダイトに似た形をしたそれは、幻想のように直ぐに消えた。
 刹那、明日香の頬を、風が通り抜けた。
 それは槍。五本。
 動きが単調である。一直線に等速直進運動をする赤、青、黒、黄、白の槍は、明日香の横を通り抜けた。
 かと、思われた。

「――     、     更変道軌   」

 その言葉の直後に、槍は曲がった。
「う――」
 そ、と言おうとしたのか。
 槍は、まるで聖凪が扱う『逆理』をかけられたかの様に、直角に軌道を変更した。まさに不意打ちであった。
 肉を抉るような音が日々いた後、明日香の両足、両腕が槍によって貫かれた。
「ぎ、きゃああああああ―――――ッ!!!!」
 悲鳴。
 激痛が走る。いや、激痛などと云う程度ではない。それは最早気絶しても、ショック死してもおかしくない程度の痛み。魔力が逆流し、そして血は溢れ、十分な酸素を脳に遅れなくなる。意識は消えようとする。が、その明日香の信念が、体をまだ動かす。
 炎の中から現れた先程の女。
「もっと安全に終らせたかったんですけど……本当に、血の気の多い人ですね」
 その、温和、と云う言葉の似合う女性に、明日香は同姓ながらも、心を動かされた。
『綺麗だ』――明日香はそう思った。
 女は歩いてくる。
 右手に力を込める。大太刀は振れるであろう。
「――はぁあッ!!」
 一閃。下から切り上げるような形で、明日香は大太刀を振る。
 布が斬れるような音がして、女の服が真っ二つになる。
 はだけた胸元に……

「――聖痕……まさか……胸、に――?」

 微笑している女。
 その腕が上がり。
「ごめんなさいね」
「――――――――――ッ!!!!!!!!!」

 明日香の心臓を、槍が貫いた。


 Interlude END


 リンは今頃お風呂かしら?
 わたくしは生徒会室から他の資料を持ってリンの部屋へと向かう。
 一階も結構被害を受けたから、夕食も各個で調達して食べなくちゃいけない。
 ……耀子を殺して、もう一日。結界を解除するまでが期間だったわね。ってことは、もう、由香さんも、望さんも、カレンさんも、仲間ではないと云う事ね。
 途方に暮れる。只でさえ、彼女たちが居たからこそ戦えたと云うのに……
 それでも、わたくしはもう『永遠の論舞曲』の参加者ではない。そして、彼女達にとって、リンは倒すべき敵でしか無いし、彼女たちは、彼女達の願いがある。
 ……もう、わたくしは一人。何も役にもたたない。ゴルディアン・コフィンから受けた恩恵は、もう無い。聖歌も歌えなければ、与えられた礼装も使えない。そして、聖痕も無い。
 リンを、護れるの――?

 そんな中、礼拝堂に気付けば足を運んでいた。
 其処には、エルダー・サキの姿があった。
「……これは……」
 わたくしは目を見開いた。
 ――光が……二つ多い――?
「また二人……死亡しました」
 祈りを捧げるエルダー・サキ。

「脱落したのは、斉藤カヲリさんと、渡辺明日香さんです」

 …………………戦いは続いている。
 もう、こんな戦いは、間違えている。
 父様は……母様は……ゴルディアン・コフィンは手に入れなくてはならないものだといったけど……


 こんな――間違えている――!


 ◇


 部屋に戻ると、リンが夕食を作っていた。
「おかえりなさい、ヒナさん」
 ……この笑顔を、守りたい。
「ええ。夕食ぐらいわたくしが作るのに……」
 そう言うと、リンはニコリと笑って。
「大丈夫です。わたしも料理が出来るんです!」
 がっつぽーずをする。

「――凛、出て来て」

 振り向く。
 かちゃん、とお玉を落として、リンが凛に豹変した。
「なんだ」
 不機嫌そうな顔をしている。
 ……凛も随分入れ替わりが早くなったわね。
「――貴女の望みは……何?」
 その質問に、
「――欲望」
 そう答えた。
 そう……それは許されることじゃない。
 それでも、わたくしはリンを守りたい。

「わたくしは、貴女の望みを叶えるわ。
 だから、リンの望みも、かなえてあげて――!」

 訴えた。
 凛なら、は、と言って罵倒するでしょうね。
 それでも、何時まで経っても凛は罵倒をしてこない。
 上を見ると、凛は、信じられない、と云った様な顔をしていた。
「……なんでだよ」
 呟いた。
「なんで、お前ら全員、リンにこだわるんだよ」
 それは尤もな話。
 でも誤魔化せないの……

「わたくしの一番大切なヒトが……リンだからよ」


 もう、戻れない。


 ◇


 ちがしたたる。
「――ぁぁぁ」
 わた、しは……もう、うごかない。
 もう、なにもかんじられな、い。なにも、うごか、ない。
 ああああ、そう。
 しんだんだ……わたし。
「ごめんなさい……ごしゅじ、ん、さま――いえ……」
 さいごに、あのひとのなまえを……

 だいすきな……あのひとのなまえを。

 はなしたくない。あのてを。
 なくしたくない。あの、えがおを……

「かいと、さま」

 さいごに、しろいひかりといっしょに……かいとさまが、てまねきしていた。

 はい、いますぐにいきます。

 こうちゃにしますか? こーひーにしますか?

 ね、ごしゅじんさま……いっしょに――

「いっしょに、おちゃしましょう……?」

 

 ぐしゃり。

 


「……契約は、此処に完了した。
    執行人、上川強気。
    対象、渡辺明日香……いや、最後の慈悲で、沢渡明日香というべきか?」


 渡辺明日香。
 魔術師、沢渡界渡のメイドだった。
 沢渡界渡は、とある魔術師の魔術により死亡。


 殺されたその次の日、渡辺明日香と婚約予定だった。

 

                     * A L I C E *

--------------------------------------------------------------------------------

聖凪(以下、凪):「凪と――」
山上耀子(以下、耀子):「耀子と――」
渡辺明日香(以下、明日香):「人妻、明日香と――」
斉藤カヲリ(以下、カヲリ):「カヲリの――」

「「「「なぜなにALICE、アリスつーしーん!!」」」」

凪:「先生、男子が席に着きません! 聖凪です!」
耀子:「ソウル・ソサエティに住んでやる! 山上耀子よ」
明日香:「駄目です御主人様ぁ~、渡辺明日香です」
カヲリ:「スキよ? 何て嘘よー、斉藤カヲリよ」

四人:「………………」

明日香:「なぁぁぁぁあああああああんセンスゥ!!!」
耀子:「何で死んでんのよぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

カヲリ&凪:「まぁ、落ち着きましょう」

明日香:「あなた達はのんびりしすぎよ!!」
耀子:「そうよ! 虚(ホロウ)になるわよ!!」
カヲリ:「いえ、そういわれましても」
凪:「死んだもの同士、もう仲良くしましょうよ。ここ『BAD END』になった人が来る、某型月ゲームの某所ですし」
耀子:「喩えが微妙ね」

凪:「じゃあ、親睦を深めるために、個々の家の事情を話していきましょうよ」
明日香:「なんですか、突然」
凪:「いえ、親睦を深めておこうかと……」
カヲリ:「楽しそうだからいいんじゃないですか?」
凪:「では自分から……」

父→職業、会社員
母→職業、専業主婦

凪:「こんな感じです」
耀子:「ははぁ、普通ねー」
凪:「因みにこんなクオリティです」

凪、父:「それより、その紙はなんなんだ?」
凪、母:「ああこれ? ………………………離婚届よ」

耀子:「らめぇぇぇぇええええええええええええ!!! ストップ! ドクターストップ!!」
明日香:「止めてあげなさいよ!!」
カヲリ:「拙いわ!! 駄目駄目! お母様、もう凪、父のライフポイントはゼロよ!!」
凪:「これ、何時ものことですけど……」

「「駄目に決まってるでしょー(だろ)!!!」」

凪:「む、じゃあ他の方のヤツどうぞ」
明日香:「じゃあ、私の……」

御主人様→沢渡界渡(らぶらぶ)
同僚(というより、同じく御主人様に仕えているメイド)→マリアさん(……ち)、イリヤちゃん(かわいい、でも界渡様に近付きすぎよ? 殺しますよ?)、美袋ちゃん(ツンデレなのはいいけど、界渡様に近付くのは止めてくれる?)、アリサちゃん(違うわよね?)、カレンさん(何で同姓同名なのかなぁ? それと、界渡様の初恋の人って……うふふふふふふふふふふふふ)
友人→日野さん(界渡様の友人、最近異世界に行きました)、横山さん(界渡様の幼馴染……ちっ)

一同:「……」

凪:「(黒い! 黒いよ!!)」
耀子:「(黒いオーラが見えるわ!)」

……えーと。

耀子:「終わりにしません?」
凪:「そうですね……
   それでは、皆様に神様のご加護がありますように……それでは」

その他。
耀子の家族構成
兄→自宅警備員
義父親→よっぱらい

カヲリの家族構成
姉、妹。
彼氏がいます。

 

          to be continued......?

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