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絶望への共鳴 // ERROR

深層心理へのアクセス。結城七夜の日々。徒然日記。 裏; http:// lylyrosen. xxxxxxxx. jp/ frame/ water. html

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VOC@(nd)roid 第十二話 / 捜索完了



こんかいも少年は出て来ません。

だってほら、展開的に伸ばすところでしょ、此処。






 
 
 街を抜けると、向こう側にはもう一つの閑静な住宅地があります。――って言っても、来た事ある訳じゃなくて、マスターから聞いていただけですので、実際に来るのは初めてです。……此処にレン君は居るんでしょうか?
 見渡すと、多くの家が大きな家で、凄い、資産家、って言うんでしょうか、お金持ちの家がいっぱいあります。この中に居るって事は、レン君のマスターは、資産家の人になるんでしょうか? ……でも、決まった訳じゃないですし……資産家の家が立ち並ぶ、と言いましても中には普通の家もある訳ですし。
 兎に角、どうやって探すかです。一つずつ、家を訪ねて行く訳にも行きませんし……
「その点は大丈夫。一定範囲なら、喩え故障してても……解るよ」
 ……双子って凄いですね……私はさっきも言ったけど、双子機じゃないので……やっぱり兄弟が居るって、良いですよね。
 そういえば、話は凄く変わるんですけど、私は税込みでかなりのお値段なんですけど……リンちゃんはやっぱりレン君と、二体で一セットですから、結構するんですか?
「……そうだねー、結構高価かな。こんな感じ」
 指を立てて、数字をあらわす。わっ! 私の三倍はするんだ……
「え! って事は……ミクおねーちゃんって……私達の三分の一の値段? でも機能は私達と同じ位あるんだよね……」
 やっぱり、世界が違うと思うんですよね、辿った未来ってものが違うんだと思います。でないとシリアルナンバーの説明も付きませんし、それに、値段が違う事は、私達アンドロイドにはありませんから。――高性能アンドロイドって、言いましても、私達以外のアンドロイドは存在していない訳ですから。
「うん……」
 ……でも、未来が違うのに、どうして私達は同じ世界に落ちたんでしょうか? もし、未来が違って、世界が違うなら、私がこの世界に落ちたんですから、リンちゃんは、別の世界のマスター・ミオの元に落ちるのではないのでしょうか?
「それもそうだね……なんでだろ?」
「この時間軸が、若しかして何かしらの事柄があるんでしょうか……」
「うーん」
 私達は悩む。でも結局答えは出て来ないし、今はレン君を探すのが先決。その話は、マスター・ミオが学校から帰って来てからにしましょう。
 歩く脚を速める事にします。早くしないと、マスターが帰って来てしまいます、それに、この買い物の袋も早く持って行かないと、料理も出来ませんし、晩御飯も作れません。そうなると、マスターも、私も、リンちゃんも困ります。主にお腹が減ります。
 その事は、ちゃんとリンちゃんも解っているみたいで、この辺り、一帯を探したら、一旦家に戻る事を約束してくれました。
 ――でもこの辺り一帯と言いましても、この辺りは結構広いですね……。お店とか、そんなものは一件もありません。只、人が住む為の一軒家とか、さっきも言いましたけど、資産家さんの大きなお家がいっぱいあります。
 西洋の形をしたお屋敷も存在していますし、和風と云った感じのお屋敷も存在しています。その大きさ……一体何の仕事をしている人なんでしょうか……この時代の知識と常識で考えると、ハードウェアや、コンピュータ関連のお仕事でしょうか? この時間軸では、その手のお仕事の人が、お金周りが良いと聞いています。
 ――未来の世界だと、その様な主にIT関連の職業ではお金はいっぱい入らない職業になっています。既に確立した分野ですし、完全に、世界を、国を左右するお仕事ですので、この時代で言う公務員の様な感覚ですね。お給料は全く変わりません。
 リンちゃんの未来でもそう見たいです、やっぱり、世界情景は同じみたいですね、只、私が産まれているか、リンちゃんが産まれているかだけ……それだけが左右しているみたいですね。
 
 ……暫らく歩いていましたけど、全くレン君の反応はありませんでした。そろそろ、時間的に戻らないと、マスターが戻って来てしまいます。リンちゃん、戻りましょう、後は明日にしましょう。
 素直にリンちゃんは肯いてくれた。そうですね、今は戻りましょう。――そう考えて、私達は踵を返して、元の道を歩いて、戻ろうと歩きだす。
 その時――リンちゃんの脚が止まった。
「……? リンちゃん……?」
「来る」
 ――え? 何が……?
「目の前から……私の、片割れが……」
 それって……つまり……
「レン君――?」
 シリアルナンバー、0918032‐1……それが、来るって事でしょうか……
 肯くリンちゃん――私は感じない、何も。でも確かに、向こう側にある二つの影は見えます。……片方は、リンちゃんと同じぐらいの身長の影、そしてもう一つは、多分、私と同じ位の身長の人……レン君の、マスター……手には、何か、棒みたいな……剣みたいなモノを……持ってる。
 
     ■■■
 
「よー」
 ……講義が終わって、そろそろ家に戻ろうとしている所で、堂々とパトカーに乗っている黒田刑事が迎えに上がった……おいおい、此処大学だぞ、周りの目があるんですけど……
「わりぃな、俺、車持ってないんだ。しゃーないから、部下にパトカーを借りてな」
 そーすか。てか、車持ってないのに、免許は持っているんですか?
「俺が若い頃はな、車の免許を持っているだけで女の子にモテたんだよ」
「いや……すげーな、その時代」
「なんだ、モテたいのか?」
「いや、オレ、三次元には興味のない人間なんで……」
 それにしたって、嫌に早かったですね、帰ってくるの。
「そりゃな、九時だぞ、八時間もあれば帰ってこれるわ」
 ……京都って、そんなに近かったっけか……まぁ良いや、それで、態々オレの所に赴くって事は、何かあるって事ですよね?
 そう言うと、黒田刑事は煙草を咥えて着火する。そして、ああ、と肯いた。つまり、オレが頼んで置いた人間、そして昨日の夜にメールをくれたあの桐島人見の事ですよね? 足取りが掴めたって事ですよね。
 それに対しても肯いて、黒田刑事は顎をしゃくり、オレをパトカーの助手席に座る様に勧める……やっぱり何か視線が……まぁ良いや、今は情報が必要だ。助手席に座り、シートベルトを装着すると、黒田刑事が運転を始める。
「本当は今朝の時点で解っていたんだ。それで急いで新幹線に飛び乗って戻って来た。お前にも連絡したんだが……」
 ああ、携帯電話家に忘れたからなー。
「そしたらな、ミクちゃんが出てな、色々と話しておいた」
「色々?」
「そうだ。先ず、ミクちゃんは言っていた、『マスターの考えは外れていた』とね」
「――って事は?」
「桐島人見が連れている金髪の人間がもし、リンちゃんの双子機のアンドロイド、レン君だとしたら……この街に来ている可能性が高い」
 待て――若しかして、黒田刑事、その情報ミクにリーク……したよな……
「刑事、こんまんま、桐島とか言う人の所に行って下さい」
「あん? 戻らなくて良いのか?」
「ミクが……多分リンも一緒に……その二人の所に行ってると思います」
「はぁっ!?」
 ――なんで今日に限って、携帯電話忘れたんだろーなぁ。
 
 

               to be continued......

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