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絶望への共鳴 // ERROR

深層心理へのアクセス。結城七夜の日々。徒然日記。 裏; http:// lylyrosen. xxxxxxxx. jp/ frame/ water. html

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VOC@(nd)roid 第八話 / 思考了解




突然振ってきたリン……エンゲル指数を気にする観光はどうするか……


てな訳で続いております、ボカロ小説。






 
 
 まさかまさかの大番狂わせ、ミクの他に落ちて来た鏡音リンの姿をしたロリ少女を、結局同じパターンで家に居候させる事になったのですが……いや、エンゲル指数が……食費が一番掛かるんだぞコノヤロウ。
 同じシリアルナンバーを持った09180324である二人は、最初こそはいがみあって居たものの、現在は全く平然と、昼食を食している訳である。因みに今日の昼食はコンビニ弁当だ。何しろ、警察に居た訳だから買い物なんてもんはしてない訳でな、お金を下ろすついでに、昼飯は買う事にした。
 ――しかし、これでオレの欲しいモノは大半買えなくなる訳だ……恐ろしい程減っていく金――彼女が出来るとこうなるのかもなぁ……くそう、金があったら遊●王カードを単品ス●ーダストドラゴンとゴ●ウガーディアンを買い占める予定だったと云うのに……オレのターンッ!
 ま、問題はまだ山積みだ。一つは、ミクの疑問をそのまま口に出すようだけど、どうして、シリアルナンバー09180324が二体存在するかだ。
 訊いた話と例え話、シリアルナンバーは一つのアンドロイドを個別する物であり、二つあればおかしいと云う事になるらしい。つまり、TCGの左下とか、右下とかに存在している番号が同じだったら贋作だろ、オワタ! と同じで、未来世界にもこう云うアンドロイドの偽ブランドが存在するとかなんとか……面倒だな。
 詰まる話、同じシリアルナンバーは存在しない、以上。
 まるで小動物勝負でもしているかの如く、二人はパンをもふもふと食べている訳であるが……オレは一体如何すれば良い? リンを追い出すべきか、それとも矢張り居候させるべきか、そもそも、オレの部屋には二人分の布団しか存在しない。くそ、監獄から布団を盗んでくるんだった……黒田刑事に言ったらくれるかな、布団。兎に角、当分オレは地べたで寂しく寝るか……ああ、死んでしまう、ウサギは寂しくなると死ぬんだぞ。
 ぴぴぴぴぴぴぴ――
 と、その時オレの携帯電話がなりやがった。なんだこんな時に……
「もしもし――」
『あ、俺俺』
「悪いが詐欺には引っ掛からない主義なんだ……じゃ」
『まて――――ッ! 俺だ! 賢吾だ!』
 だったら最初からそう名乗れってんだ……ん、まてよ、コイツそういえばこの前、女の子紹介しろって言ってたな……。オレはリンの方向を見ながら、そう考える。この場合、リンを賢吾に引き取らせる方がいいかもしれないなぁ……大体その方が向こうにも助かるだろうし、オレも正直助かる。これ以上エンゲル指数を増やすと、オレの快適なオタクライフが消える、マヂで。
 てな訳で早速メールを返す事にする。……の前に、アイツの時間上また七時ぐらいになるだろうし、今の内にこの09180324――あ、なんか覚えた――のリンの方に名前と服ぐらいやらんと、ミクの時みたいにちんけなコスプレに見えるからな、うん。
 オレはパンを食べ続けているリンを横目にゆっくりミクの近くに寄る。
「……兎に角、これ食べ終わったら服屋に行こう、それからゆっくりと考える」
「はい、マスター・ミオ」
 しかしやっぱりこの「マスター」と云う呼び名は馴れない。警察に居た時は嫌な誤解をされたものだ。
「あと、えーとキミ」
 兎に角、シリアルナンバーで呼ぶのは抵抗があったからな、名前を突き付ける前はキミと呼ぶ事にしよう。
「名前が居るな」
「ごっくん――え? 名前ぇ? でもわたしシリアルナンバー09180324だし……。と、云うよりも、自分のお手伝いアンドロイドに名前を付ける人なんて聞いたことないよ」
「……いや、オレが呼びにくいだけだ……そうだな、リンだな、リン。キミ、今日から名前リンね」
 リンかぁ、と少女は顎に指を当てる。……その手の趣味の人間は、鏡音リンの姿でその仕草をされたら一撃だろうな……ま、オレは年上のマリアさん(ハ●テ)好きだけど……
「うん! お兄ちゃんが着けてくれた名前ならそれでいーよ! じゃ、わたし今日から遠藤リンになるね!」
 ――――――――――――――、は? 今、なんと?
「だーかーらー、遠藤リン。マスターのお兄ちゃんの苗字とって、遠藤リン、ね?」
 ……ミクの方を見ると、何か、パクられたと云う感覚でもあるのか、「あ、それ……」とか言っている。やっぱり同一と云う事で色々と考えも同じとか? いや違うな。
 兎に角、服を買いに行こう。その服駄目ね。ミク、お前の服貸してやってくれ。
「あ、はい、マスター・ミオ」
 そう言うと、箪笥の中からミクにこの前買ってやった服を取り出し、リンに着せる。黒主体のゴシックな……やつ、って言うのか、今時の女の子は。でもやっぱりブカブカか……だってなぁ、身長違うし、体の大きさだってなぁ……特に胸の辺りが……
 そんな二人を連れて、オレは再び外へと出る。嘲笑うかの様に熱くなってやがる外は、おい、ふざけんなよ。
「おにーちゃんっ」
 腕に捕まって来るリン……やべぇ、ロリコンに目覚める人の気持ちが……流れ込んでくるわ。これいざ好かれると拙いね、人の事言えんわ。
 ……と、隣で歩いていたミクが、何か無表情のままオレの腕にくっ付いてきた……やべ、何回も言うようだけど、オレ、ミクに惚れてるんだけど……いいのか、これは! オイ! オレ死ぬぞ!?
 てか周りの視線が……痛い。普通にみれば両手に花状態だからなぁ。特に男にスゲェ殺意を感じる。いや、もう此処から出て行きたい……
 
「これが良い!」
 と、オレの目の前に服を突き出すリン……てかオレに言われても良し悪しは解らないんだけど……ミクに訊いてくれ。そう言うと、リンは仕方なく、ミクの元へと走っていく。ぱたぱた、って云う擬音は多分リンの為にあるんだろうなぁ。
 すると、ミクがオレを手招きする。……仕方ない、行くか。
 そこには、試着室で服を試着しているリンが居た。ミクと若い従業員の人が見ている。
「どぉー?」
「いーんじゃないか?」
 と、再び試着室に戻り、別の服を着る。白いワンピースだ、それはミクに着て欲しい。
「どぉー?」
「いーんじゃないか?」
 次に戻り、出てくる。へそ出しの半袖、ミニスカートだ。
「どぉー?」
「いーんじゃないか?」
 すると、ミクが何か、凄い顔をしながらオレを見ている。完全に、何か、少し怒ったと云うか、困ったと云うか、表現に困る顔だ。隣に居る従業員のお姉さんも同じ顔をしている。――オレが何かしたか?
「ミオくん、駄目です。女の子が服をどう? と聞いたらちゃんと答えないと……」
 はい? てかオレはあんまりわかんないんだけど……
「それでも、お世辞でも良いから言って貰えると、嬉しいですよ……」
 ……オレは頭を掻きながら、カーテンの向こう側に居る筈のリンを見る。と、直ぐにまた別の服を着て出て来た。――黄色いパーカーにミニスカートと云う感覚だ……なんか、ね。
「……どぉ?」
「――可愛いと思うぞ、うん、多分その辺のギャルゲーのヒロインよりかは」
 そう言うと、リンの顔が輝いた。……成る程、女の子に対しては、こう言った方が良いのか……覚えておこう。
 取り敢えず、リンはその黄色いパーカーが気に入ったのか、そのパーカーとミニスカートをそのまま着て行くと言い出したので、金を払って、来たままにさせておく。買った他の服は、持って来たバッグの中に入れて、オレが運ぶ。てか今月だけで一体どれだけ金使ってんだよ……
 服屋を後にして、そのままこの店の中に存在している、アイスクリーム屋に行ってミクとリンにアイスを渡す。兎に角、アイスクリームは未来にもあるみたいだな……
「ありがと、お兄ちゃん!」
 まぁ、感謝されるのは悪い事じゃないな……。さり気無く腕時計を眺めると、時刻は三時を回ろうとしている。
「わたし、お兄ちゃんとずっと暮らすから! それと、お手伝い頑張るからね!」
 ……ああ、オレ何やってんだか……こんなに良くしているのに、オレ、賢吾にリンを渡そうとしていたのか……駄目だよなぁ、オレ。やっぱり、リンはウチで養おう。偶に賢吾から食材を提供してもらいますか。うん。
 じゃあ問題は、賢吾にどう説明するかだよな、あと明日にはもう一回警察に言って、黒田刑事にリンの事を言わないとな。
 
          ◆
 
 で、七時になったところで、何時も公園の横を通り抜けて、賢吾の家に辿り着いた。アパートの一番端に存在する部屋で、結構揃ってる。流石公務員。
 ぴんぽーんと、ボタンを押す。後ろでは、なになにー、と辺りを見渡すリンと、それを抑えているミクが居る。
 どんどん、と音を立てて、扉が開く、とそこには面食らった様な賢吾が居た。成る程、やっぱりリンが拙いか……
「てめぇッ! ミクちゃんの次は……!」
「リンだ……ミクの妹でな、なんか、両親が海外に行くって言うんでこっちも引き取る事にした」
 その説明に、後ろに居たリンが違うよぉ、と言っていたが、その口を封じる。未来から来たなんて口が裂けても言えるものか。その瞬間にオレは完全に電波ヤローに成り果てる。――てか、玄関見ると、靴あるけど、誰か居るのか?
「ん、あー、お前にも紹介してもいいな。おーい、栄太」
 栄太と呼ばれる人物はまぁ、その辺に居るような小太りのオタクでして、まぁ普通に見るとそこまで太っているように見えないけど、ま、太ってんだろうな、小太りって言うからには。
「――ロリキャラktkr――ッ!」
 突然そんな事を言いやがった訳でありまして……なんだコイツは。
「すまん、コイツロリコンでなァ、リンちゃんに発情でもしてんじゃねーの?」
「ふざけんなッ! おいミク、リンを前に出すなよ!」
「あ、はい、ミオくん」
 ミクがリンを後ろにやると、なになにー? とリンが暴れる。このままだとコイツに連れて行かれない、決意してよかったぜ、リンをウチで養うって言うの……こんなのに連れて行かれたら拙い事になりかねない。
 しかし、それでも引かない……くそう。
「むむむ、キミは俺とこの子の邂逅を邪魔する権利があるのか?」
「ねぇよ。でもなんか動物的な勘がお前とリンを巡り合わせちゃいけないような気がしてな」
「――なら、デュエルだっ!」
 ヤツはベルトから、遊●王カードを取り出した。……なに?
「俺が勝ったら、巡り合わせてもらう!」
「……いいだろう。いっとくがこれは、闇のゲームだZE!」
 コイツを黙らせるには、これしかねぇか……やってやるぜ!
 
 

               to be continued......

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