そう言えば画像載せてなかったなー、と思いつつ。
今日我慢出来ず、作業の片手間にやってしまった……オンラインは出来なくても、ソロで地道に腕を上げる作業です。やっぱりこう言うのはソロでの練習がものを言いますからね。オンラインで強い人間と戦うのも良いですけど、あれはやっぱりちゃんとした戦闘のノウハウを身に着けてからじゃないと……!!
そんなワケで、ガンダムEXVS、ネットで見かけたらよろしくお願いします←
最近寒くなったせいかとても眠くなる。眠気が早く来ると言った方が良いですかね。うーん……今日もずっと眠気が襲ってて、寝不足ってワケじゃないんですけど。
学校が暖かかったので、そのせいかも知れませんね。良い気分になって、そのまま睡眠の世界に連れて行かれる所でしたよ……
ちなみに今日の学校では、PCを組み立てると云う細かい作業をしたせいで無駄に目が疲れていると云う事態に陥っておりますがな(苦笑
でもあれは楽しい。けど疲れる。著しく疲れる。
何せ少しでもミスったら壊れちゃいますからねぇ。特にこの季節だと静電気で駄目になっちゃいますからね。精密機械―――しかもその中身の基盤とかですからね。最後はちゃんと動いてくれて助かりましたよ。どこか壊れたかと最初は思った……(まさかケーブルのプラスマイナスが間違えているとは思っても見なかった←
以下はハスミさんの作品の外伝『WONDER RONDO / ZERO / 』
「…………ッ!?」
突然の魔力の逆流と違和感―――周辺の空気の変貌に、シューベルトは珍しくその表情を歪めた。
結界が破られた。その際に掛かる身体へのフィードバックによって、体中の違和感と、魔力の逆流を覚えて体を止めてしまう。
―――結界を破られた……しかも容易く。自分を上回る魔術と魔力で、無理矢理こじ開け、魔術と同化していた自らの神経がその強烈な感覚に耐えられず、悲鳴を上げた。
そしてその隙を、目の前で対峙している益荒男たちが見逃す筈が無かったのだ。
手前の青年を幕開けに、後ろに存在している多くの兵士たちがこちらに向かって―――今が好機とばかりに―――走って来る。すぐにでも飛び込んで、こちらが魔術を展開する前に潜り込まれたのだ。
それだけでは無い。魔術の勢いが落ちているのだ。結界を破られ、神経をやられ……魔力も大幅に殺がれた。そのせいで手前の魔術に回す魔力が極端に減少したのだろう。
その事実にシューベルトは舌打ちをする。まさか容易く結界を破られた上に、魔力の減少、魔術の意力低下―――これによってこちらが不利に陥るとは……相手のたった一つの手によって完全に流れを断たれたのだ。
動揺している場合では無いのは解っている。気を引き締めて、目の前のそれに対処しなければならない。
体内のフィードバックによって破壊された部分は一部だ。このままでも冷静に対処すれば、インファイトでも、魔術戦でもまだ勝てるレベルだ。負ける筈など無いのだ。
近付けまいとしていたのは、物量に対する一応の配慮だ。別段問題がある訳ではない。……が、接近戦を避けようとしていたのは事実だ。
しかし接近されてしまったのであればそれは仕方がない事だ。述べたように、インファイトに関しての心配は殆ど存在していない。このまま押し切れると思っている。
取りあえず、一旦魔術の威力を弱めて、魔力を自らの方に持って来る。あくまで魔術はけん制程度に……相手に隙を作らせるような程度で……余った魔力はこちらの方に持って来て、身体強化に持って来る。さすがにこの数を相手にするのだ、幾ら人間だったとしても、それは分が悪過ぎる。
唱えていた火の魔術を小さく手前で展開すると、それは先よりも規模の小さい爆発のようなそれへと変貌する。掃射の詠唱を一言述べて、すぐに発射する。それ自身に殺傷能力は殆ど存在していない。
が、相手はその変化を察する事など出来やしない。先と同じような強力な魔術だと思って、人間どもは分断された。これで幾分か楽になった。あのまま兵士たちの塊がこちらに来たのなら、さすがに拙かった。戦力を分断させられたのはこちらにとってはアドバンテージになる。……このまま、一対一のインファイトに持ち込めば……
魔力で腕を強化して、爪を伸ばす。それは凶器となって、兵士たちを襲う。
この爪の強度は凄まじく、勿論、腕自身の腕力などもあるが―――そのままでも剣と対抗出来る力を、この魔族の爪は持っている。魔族が最初に覚える初歩的な強化魔術でありながら、その先自らの身を守る護身用にも使える、万能な代物だ。魔族であるのなら、これを知っていて損は無い。
それだけではない。元々爪とは皮膚が固まって出来た代物だ。それ故に人間の身体としても数えられる上に、不必要なものとして排除も出来る微妙な立ち位置にあるものだ。魔力も通し易く、具現化した魔術を定着させて、『魔爪』として使う事も可能だ。
初歩ながら、万能で、極めるのも難しいものであると言えよう。
―――果たしてその作戦は成功したと言えよう。分断された兵士の中には、そのまま孤立してしまった兵士も居るようだ。足を強化したあと、一気に跳躍、大量の兵士たちの上空を抜けて孤立した方面に向かうと、良い具合に一対一に近い状況を作り出すのに成功した。そうなればこちらのものだ。無理矢理にしろ、自分に都合の良い状況を作れたのだから良いだろう。
相手は魔術師では無い。多少の魔術の心得があったとしても、魔術威力の低下を咄嗟に見極める程熟練はしていないだろう。
一流の兵士だったとしても、不意打ちのあと、一気に攻め込まれれば脆いものだ。
シューベルトの爪が一閃するだけで、兵士の一人を戦闘不能にすると、たて続けに周りの兵士たちにもその爪を向ける。
爪に纏われた炎、風、土―――様々な属性の魔術は、兵士たちの対魔術式を容易に破壊して、中へと入って来る。対魔術があるからと安心している兵士程、すぐに倒れる。
命までは取らないが、もう動けないだろう。相手の片足や、両腕……戦闘に重要な部分を傷付けておいた。これ以上戦闘に参加するのは不可能であろう。
囲まれる前に再び跳躍して、その間に魔術を展開。先程よりも威力は下だが、けん制に使っていた魔術よりは威力は上がっている。それを分割して、上空から、下の方に……集まりつつある兵士たちに向かって掃射する。
数人はそれで逃げたが、二人片付けるのに成功した。今の威力でその結果なら充分だ。それで相手の意思を倒れた兵士の方に向ける事が出来た。安心してその場に降り立つと、爪を再び立てて辺りの兵士をさらになぎ倒す。
その瞬間に他の兵士が攻撃を合わせて来たが、冷静に対処すればそれは避けられるレベルだ。味方がやられたのに気が立ったのか、攻撃が大ぶりだ。これなら簡単な動作で避けられる。
屈んで大ぶりの一閃を避けると、一気に懐まで飛び込んで、足払い、爪で腕を攻撃して腱を切ると、跳躍してその場を離脱する。
……これだけで、人間側は相当の損害を出した事になる。
そう、シューベルトには冷静に全てを対処する余裕がまだ存在している。―――が、相手はその限りでは無い。何せ相手は、魔族と云う得体の知れない存在との戦いに身を投じているのである。何が現れるか……本当に相手は一人なのか……様々な憶測などの在りもしない情報に流されている。恐怖と云う気持ちを抱き続けて、戦わなければならないのだ。
つまりどうあがこうとも、そのような精神状態で魔族に勝とうなど、不可能な話なのだ。戦いの中では強靭な精神が求められる。その精神が揺らいでいる時点で、相手の勝利は遠いものになっている。
余裕のあるように自分に言い聞かせているシューベルトだが……一つだけ、心配な点がある。
それは、自らの結界を破った存在だ。それだけが気がかりでならない。
結界を発見して破壊したと云う事は、それは即ち自らの存在を知っていると云う事にもなる。こちらに向かって来ている可能性も零では無い。そうなった場合、一体どうなるのか……解ったものではない。
無理矢理とは言え、相手は自らの魔術を破壊して、結界を強制解除したのだ。力量は―――測るまでも無い。そこまで来ているのなら、一流の戦士であればどこまでの領域にあるのか、大方理解出来る。
故にそれは信じられないのだ。魔族を超える人間など居る筈がない。これまでの中で、自らを倒した存在は……同志の城を襲った、あの謎の人間以外は居ないだろう。そもそも魔族は人間と戦う事など稀で、城に迷い込んで来る人間に対して実力行使をする以外は無い。
……飛躍して考えれば、ここに居る兵士たちが、あの城を襲った人間の仲間だと考える事も出来るのである……
あくまで仮説であり、それが本当とは言い切れないのが現状だ。それに、もしあの時の人間だったのなら、もっと早く、もっと簡単に自らを仕留めるのが可能だろう。……今のように、兵士を差し向けて回りくどい事をしなくとも、勝てる筈だ。
圧倒的な実力。魔族ですらその力で翻弄する能力―――それは、自らたち魔族の秘宝を持ってすれば簡単な事だ。それ以上に、魔族の実力を把握しており、それに対する立ち回り方、その秘宝の使うタイミング―――様々なものが自らたちよりも一枚上手だったのもまた認めざるを得ない。
目の前で行われている無意味な戦いは、全くそのような上手さが見られない。戦略的にも乱雑で、魔族の実力も把握していない。そんな彼らを、あの人間が仕向けるだろうか? 仕向けたとしても、何らかの対抗手段を持っているだろうと思われるのだが、ここまで被害を出しておいて使わないのはおかしい。
これが罠だとは考え辛い……つまり―――
あの時とは違った人間が、自らの魔力を凌駕しており、魔術ですら凌駕して、結界を破壊した。そしてこちらに向かって来ている。そう言う事だろう。
厄介だ―――歯軋りしながら、現状目の前に居る兵士たちを捌いて行く。今でこそ捌いているが、その人間が現れた時にどう戦局が傾くか解ったものではない。そうなった場合、こちらの全力を出さざるを得ない状況にまで追い詰められるかも知れない。
いや、結界を突破されている時点で、全力を出すに値する人間だと云うのは解っているつもりなのだ。ただ、認めたくないと、子供のように駄々をこねているだけなのだ。
……認めなければ死が待っている。そう思えば、冷静に自らを見る事が出来る。人間最大の恐怖と向き合う事で、冷静に、現状を把握する。
結界を破られた事で久しく感じる事の無かった死の恐怖を感じた。生きているもの最後に訪れる史上最強の恐怖―――
魔族は人間より遥かに長い年月を生きるのが可能だ。寿命が長いのだ。中には、数千年の間生きている魔族も存在している程だ。そうなって行くと不思議なもので、次第に死への恐怖が消えて行くのである。寧ろ、死を求めるようになって来る。あまりにも長い期間生き過ぎたせいで、生に対する執着が消えて行くのだ。
が、生存本能とは凄まじいものであり、いざ死を目の前にすると、それを全力で回避しようとする。魔族の持つ強大な力は死を拒み、回避しようとする。
故に魔族はこれまで絶滅する事無く、ここまで生き残って来られた。……人間のように高い出生率を誇っている訳ではないのだが、この長寿故に生き残っていると言っても過言ではない。
……死を目の前にした時の気持ちとはこのようなものなのか……これ程までの拒絶反応なのか……。シューベルトは己が内に存在しているこの感覚を、苦笑しながら噛み締める。誰もが最後に見つめ合い、そして待ちわびている代物―――死。
なるほど、しかし、今の自分には解りそうにはない。まだ若いシューベルトには、その死が恐怖にしか感じられないのである。充分な程生きていない、まだやり残している事がある―――まだ、生きていたい。そう願う。
だとすれば目の前で倒れて行く人間もまた同じ気持ちなのではないのだろうか? 死んでは居ないにしろ、一度は死を覚悟した筈である。目の前に死があるのなら、それを回避しようと全力を出す事が、生きている限り付きまとう最強の本能なのだから。
人間にとって自らは、死を運んで来る死神か、それともハンターか……では自らにとってのそれは、今こちらに向かって来ている存在こそがそうなり得るものなのか……
変わらない。人間も魔族の根本に存在している本能は、何一つ変わらないのだ。
だが人間はどこまでも愚かで、その短い命をクダラナイ事にしか使えない無能な存在だ。それだけは決定的に違う。
群れるのは魔族と同じ。四肢を持つのも同じ。姿形もたいした違いも見られない。しいて言うのであれば耳の形が違うだろうか。あと目もそうだ。他にも魔力の保有量などがあげられる。
そうだとしても、人間と魔族は決定的に違う。そうだ、人間は害悪以外の何者でもない。実力勝負に出れば、魔族が人間を滅ぼすのは例外が無い限りは容易いだろう。だが相手は愚か故に解らない。無駄な戦いを行い、死者を出し、そして……滅んで行く。
さらに愚かな人間は何をするかどうか解らない。魔術だけでは無い、科学と云う代物もあるらしい。それがどのような代物かは解らないが、魔力を必要としない魔術らしい。今の所解っているのは、それだけだ。実際に見た事のある魔族はごく一部らしい。……恐らく、人間の方もまだ良く解明していない発明なのだろう。
だがそのようなものがあるとすれば頭が痛い。本当に完成してしまえば、魔術は忘れられ、科学と云う便利なものが普及するだろう。人間は総じて、便利なものに走りたがる。
より便利なものに走るのは解る。苦労をしなくても良いのだから、それは楽だろう。何も考えず、何も思わず、ただ、簡単な作業だけで多くの事を無意識に行う事が出来る。
そこにある……精霊、自然への感謝を忘れて、科学と云う無機物なものを使い、発展して行く未来……シューベルトはそこに何があるのか想像も出来ない。
人はどこかに感謝の気持ちを忘れて来たのだろう。精霊への感謝、他者への感謝―――それらは、人がいつしか持ち始め、自分に出来ない事を知り、他者を頼り、欲する力を手に入れた時に同時に持ったモノだ。そこには、自分では出来ない力を持った偉大な他者を称える意味が存在している。
他人が出来ない事を自分が出来る……自分が出来ない事を他人が出来る……世界とは、そのようなものだ。それを知っている時は平和で良かった。それなら、魔族もまだ人間と共に生きていたであろう、同じ道を歩んでいたであろう。
それが出来なくなった。いつしか、人はそれが出来なくなってしまったのだ。そうして果てには、この世を構成する精霊にすら感謝を示さなくなった。
人は力を手に入れた。魔術だけでは無い、科学と云う『人間の力』を手に入れた。……その刹那から、人は自分が何でも出来るのだと、出来ない他者を見下し始めた。
……それはとても悲しい感情だ。誰にも感謝せず、誰にも感謝されない。
同時に確かに、と納得してしまうのだ。そのような生活を続けていたのであれば、人は愚かにもなる。自分勝手で我がまま―――今の人間はそのなれの果て。
考えれば考えるだけ、人間に対する呆れの念は怒りへと変わって行き、それはシューベルトの魔力を変質させて行く。
より攻撃的に……より強大に……。感情に応じて、彼の魔力は変質して、凄まじい破壊力を誇る魔術が展開されて、なぎ払う。
いつしか、自らを襲って来ている兵士たちは疲弊し、全滅寸前にまで追い詰められていた。
命があるのは、それでも心の中に残っている人間と云う生命を尊敬し、尊重しているからだろう。誰にも、生きる権利はあると言う感情だ。……憎しみとは違った……矛盾した感情だ。
しかし思うのだ。生かしておいて思うのだ。
人間は愚か故に過ちを繰り返す。何度自らに言い聞かせたか解らない。
血と肉を分けた同じ存在同士で争い、戦い、血で血を洗い、しかも生命を称えようとも思わない愚かな存在は―――
抹消した方が……良い。この世の為だ。
「……」
そこで思い出すのだ。自らの師の言葉を。
『―――人間もそうであって貰いたい―――』
魔族と同じように、人間も互いを……人間同士を家族だと思い、尊重し合い、生きてければ良いと言っていた彼の言葉を思い出すのだ。
鮮明に思い出せるその言葉。耳を澄ませてみれば、それは今彼が目の前に居るかと思う程、鮮明に再生出来る程、胸に残っている言葉だ。
シューベルトが恩師と呼ぶだけあって彼の事は尊敬している。今でも、まだ彼の教えに従って生きている程だ。そう、彼が自らに与えた影響は凄まじいものがある。
だがそれでも……その言葉だけは信じられない。人間が同じように、魔族と同じようになれる筈など無いし、その時が来るとも思っていない。
黒い感情は魔力に影響して、さらに色すら変える。……黒く、濃く、変色して行く。あらぬ事に対する憎しみが、噴出して行く。
腕を振るう爪が兵士たちをなぎ倒して行く。向こう側に見える、あの時対峙した青年を見付けるも、今は戦いには向かわない。ここに居る兵士たちを片付けてから……そして倒す。完膚なきまで。
ここに居る人間全てを立ち直れなくなるまで叩きのめす。これ以上、人間が愚かな真似を繰り返さない為にも……そして魔族に対する圧倒的なまでの実力の違いを見せ付ける為に……
to be continued......
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