そこのティエレン!
結城七夜です。
久しぶりに日曜アニメーション・特撮の感想を書きましたよ……。いや本当に、今までバイトとかで書けなかったり、色々とやる事があってblogには感想を載せなかった時がありましたからね。今日からまた感想が書けますよ――もとい、リアルタイムで日曜番組が視れると云う……
ゴセイジャーも、プリキュアも良い感じで安心しました。
特にプリキュアは作画が変わって(まぁフレッシュの時も変わりましたけど)どうなのかなぁ、と心配した時もありましたけどね。戦闘シーンになると、作画が変わっても、あ、プリキュアだなぁ、と思います。
シャッフル、カラフル、ビューティフル(このフレーズが何故か気に入っていると云う……)!
……つーわけで、カテゴリーに、『ピクチャードラマ』の枠を作りました。
これからは日記ネタに困った時はピクチャードラマを書いて行きますのでぇ、他様のキャラクターを巻き込んで色々と展開していきたいと思います。(……む、無許可ではない……よ?)
今日はその第一弾。
妙に長いので、収納。
因みに各話のタイトルは、解る人だけ察してください。
最初に言っておきます。
キリコさんにごめんなさい。
CAPU 0 ; Aの序章 / カリキュラム
少女の名前は二つある。
無論、本当に戸籍上二つあるのではなく、片方が本物の、両親が名付けてくれた唯一無二の名前であり――詰まる話、もう片方の名前は「あだ名」である。愛称とも言うが、此処ではあだ名を使わせて貰う。――兎に角、彼女には、あだ名が存在していた。
周りの人間は本名で呼ぶ事をせずに、大体の人間がこのあだ名で彼女を呼ぶ。
――そう、キリコと…………
キリコ。年齢十六歳と一週間。性別、女性――此処では少女と呼ぶか、青女と呼ぶのが正しいか――。職業、生徒。スリーサイズ、……。
趣味、同人誌作成。
以上が彼女のプロフィールである。本当にこのプロフィールを学校で使ったかと言えば嘘になるが、大雑把にまとめてみれば、この様な代物が完成するであろう。少女、キリコとはその様な人物なのである。だが決して、陰気で思考回路がおかしいなどの異常は無い。
――そんな彼女が此処一ヶ月で、通い始めている場所が存在している。新たな環境に慣れ始めた頃合、少女が見付けたその場所は、おかしな場所であった。
『同人館-Ace-』
……どうにも、怪しい場所だ。少女の住むこの辺り一帯には、多くの風俗店が夜になると開店する。中には違法ではないかと思われる店も存在しており、未成年の少女も雇っているとは、夜の町の噂である。その店に入る人間にとっては、如何でも良い事柄ではあるが……
そんなラブホテルやら、キャバクラが列を連ねるこの場所の間と間に、その同人館-Ace-は存在しているのである。如何贔屓目に見ても、廃墟であるそのビルの二階に、その事務所は存在している。
最初来た時は口を曲げたものである。何故この場所に来たのか全く理解が不能であったが……運命だったのであろう、少女は今そう考えている。気付けば、中に入っていたのである。
一階は埃塗れの部屋である。見ただけでは、ヤクザか何かが利用する違法博打の場所にも見える。広い部屋の中に、酒盛のロングテーブルに加えて、ビリヤード台、ルーレット台に、動かないスロットマシン――様々な道具がそのままにされて埃を被っていたのである。
今でも埃は被っているがしかし、前来た時よりは随分と慣れたものである。最初の頃はこの部屋に入る度に咳き込んだ。
部屋の奥に存在している階段を上ると、いよいよその事務所の扉が見える。誰も来ないと思われるのであるが、丁寧に事務所の名前である『同人館-Ace-』のプレートと、「同人誌、描きます」などと云う珍妙なプレートも掲げられているのだが……その下に、小さく存在しているプレートにはこの様な事も書かれている。
『――ついでにお悩み半分解決します――』
一種の探偵事務所でもあり、様々な依頼をこなす――いわば、万屋である。
「……いい加減にこのプレート、変えなさいよ……。ったく、あーもう!」
ドアノブに着いている蜘蛛の巣を除けて、扉を開くと――開口一番。
「七夜!? 林檎さん!? ちょっとこの部屋掃除!」
そう叫んだ。
「もぉ、どうなってんのよこれ! ……うぇ、ばっちぃ……」
手に着いた何やら異臭を放つ液体を払いながら、水道の蛇口を捻ると、水が出てこない。
「ちょ! ライフライン止められているんじゃないですかッ!?」
もう一度叫ぶと、今気付いたかの様に、一人の青年がソファーから体を起こして、指で何かを指す。
その先に存在している電灯のスイッチを押す――案の定、何も点かない。天井の棒状の電灯は反応一つしない。……これは完全にライフラインを止められている様である。冷蔵庫を眺めると、水が零れて来ており、中の温度が上がって来ている事が窺える。
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