ガンダムが……人を助けるだと。
結城七夜です。
頑張って小説を書いています。
まぁ、カードを買ったり色々としたりして、あんまり進まなかったんですけど、上手く行けば月曜日か火曜日には終わらせてキリコさんに送り届けます、ええ。
そういえば、久しぶりにこのサイトに拍手が来たと云う奇跡。メッセージはなかったんですけど、ね。多分二次創作に対する方の拍手だと思うんですけど……いまだに向こう側のサイトの方に行っている人が居るみたいで、何気なく向こう側のBLOGもカウンターが回っています。
もう更新しないんですけどね、来る人が本当に居なくなったらBLOGは消去します。
何かを忘れていたと思ったんですけど、そうか、PPGZとかのBLOGを独自に作って、その中に入ってる小説とかまだ移設していませんでした。
やべー。PPGとかPPGZに対する愛が少なくなってきているなぁ……原作は結構定期的に見ているんですよ。実は。
他に書く事もないので、ピクチャードラマです。
CAPU 1 ; Bの謎 / 概要
音を立てて紅茶を飲んだ七夜の手から、キリコはその資料を取り上げる。――無論、上に乗ったままのリンは落とさない様にしている。小さな声でリンが鳴いた。
顎を擦りながら上から眺めて行く。内容的には、余り良く解っていない。何せ書いてある事柄事態理解出来ない状態なのである。そもそも頭が重く視点が定まらない、体が揺れる――どうしようもないのであるが、紙を元あった場所に戻して概要を口から聞く事にする。
「今回の事件はどうなのよ」
問われた七夜は、んー? と首を捻りながら目を走らせている。その前に、隣に立っていたシュロの口から説明がなされた。
「…………司馬康司――。知っているだろう?」
その言葉に、キリコの脳内が戦慄した。
その名前はまだ良く覚えている。……今年の春。新しい生活が始まるその日に、少女はこの事務所の人間とであった。そして今の生活が始まったのである。
――新たな生活に不安を感じていたあの時、キリコは少し刺激を求めて、風俗の店が蔓延る裏通りへと足を伸ばした。だが、所詮は生半可な覚悟だ、昼間に学校の授業を休んで来ていた。それだけで――学校を休んでいるだけで普通の周りの人間とは、自分違うと云う特別な認識をしているかの様に……
そこで何に惹かれたのか入ったその場所が今のこの事務所であった。無意識の内に結界を解除して侵入して来た彼女の才能を思って、七夜と林檎は彼女を迎え入れた。
その翌日に入って来た依頼――そう――それは――
「司馬康司を殺して欲しい」
……その依頼であった。
「でも! その人は私がちゃんと……」
手の平を見ながらキリコは主張した。
そう、キリコの手によって、彼は解放されたはずである。死屍の力より、概念より解放されて、元の生活に戻った筈である。流石に殺人を犯す訳にも行かず、殺すと云う依頼は達成出来なかったが、それでも良かったと今は思っている。
その人間の名前が、どうして今になって現れたのか――謎であった。
言葉を発したシュロは、溜息を一つ吐きながら、事務所の扉を開くと――そこに眼鏡を掛けている一人の少年が現れた。
「あーっ! 刀夜! どうしてアナタまだ居るの!」
「き、キリコちゃん……ごめん、でも僕……」
「うっさいわね! この世界から出て行けって行ったでしょ!」
そうなんだけど……、と刀夜と呼ばれた少年は俯きながら、辺りを挙動不審に見渡す。完全に彼女の気迫にあっとうされており、隣に立っている今回の依頼主は頭に手を当てて、溜息を吐いた。
――司馬刀夜。
そう、彼は今回の事件の中心に存在している司馬康司の弟であり……キリコの幼馴染でもあるのである。幼き日より、家柄である司馬家の刀を引き継ぐモノとして教育されて来たとは本人談である。彼の家である司馬家は、代々武道を重んじる家系であり、刀を使った実戦を想定して訓練をしている――
「彼は僕の弟子なんだけど。如何せん、あんまりで……」
あー、と七夜と林檎は頭に手を当てて苦笑した。
「僕もそれなりに頑張っているんですけど……、やっぱりどうも上手く行かなくて」
「んなこたぁどうでも良いのよ! いいから、私達見たいな世界から足を洗えって……!」
「でも、兄さんをこのままにはしておけないよ。だからこうしてこの事務所に来たんだから――」
その説明には矛盾が存在している。もし、何とかしたいのであるのなら、別段この事務所に依頼しなくとも、自らの師に頼めば良いのである。資金も掛かり、本当に助けられるかどうかも解らない此処に任せると云う事は些かギャンブル性が高いのではないのだろうか?
シュロの実力は確かである。相当の剣技の持ち主であり、別世界の住人である。それ故に、その力、水準はこの世界の水準を超えている。凌駕されている。それならば、と思うのであるが、必要以上の干渉を、彼女はしない。
そう云う事だ、と説明を終えたシュロは目を瞑って、頭を下げた。頼む、と云う事なのであろう。随分な話である。
……別の世界と云う事は、この世界では無い、つまり平行世界の住人なのであるが何故元の世界に戻らないのか……と云う話になる。そもそも交わらない世界同士が交わったのは、この結城七夜と羽須美林檎の野望による代物であったのである。
それが今は上手い事機能しており、繋がったままの状態になっているのである。勿論、全ての人間が行き来出来る訳ではなく、あの物語に関わっていた人間しか渡る事が出来ないのである。――シュロはその物語に関わっていた為に、時折こうして此方側の世界に来ては、この様に顔を出して行く。
「でもあの男……かなりやるぞ?」
それはキリコ自身が一番良く解っている。だと云うのに、今現在、七夜は動く事が出来ない。腕が折れている為である。幾ら補強されているとは言え、無理は不可能だと先ほど云われたばかりである。出来るとしたら、コーヒー、紅茶を淹れる事か、若しくはアシストぐらいである。それ以上は不可能だ。
「じゃあ私が行くね。久しぶりに」
林檎が手を上げて、そう志願する。
「………え、マジで?」
「ん? 不服かな、七夜クン?」
「……いえ」
またあの姿になるのか、と小さく呟いた。
「あの男、霧になるからなぁ……。
――なにせ――死屍の能力は霧人間だったからな……」
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